NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

アトピー性皮膚炎と闘う男の手記(18)
特別取材
2009年5月21日 09:15

小児アトピーについて

 前回まで、成人型のアトピーに関する内容を述べてきました。今回は、アトピー患者の大半を占める「小児アトピー」について書いてみたいと思います。
 小児アトピーは多くの場合、小学校、もしくは中学校に上がる頃には症状が改善してしまいます。私の周囲にも多くのアトピー「元患者」がいました。しかし、成人型にまで移行した「現患者」は、私も含めて片手で数えられるほどです。そんなこともあって、小児アトピーに関しては、世間一般とは若干違う考えを持っています。それは、「子ども時代に、あまり極端な生活制限をすすめたくない」ということです。
 以前、脱ステロイドについての所感を書きましたが、子どものうちであればステロイドでごまかしてもよいと考えています。すぐに楽にしてあげられるのであれば、積極的に導入すべきです。何より苦痛に耐える時間がもったいない。少しでも遊ぶ時間をつくってあげてください。
 そのほか、食事制限にしても然りです。小麦がよくない、この肉は大丈夫か、卵が使われていないかなどといって、完全に排除していく必要はないと思います。そのお子さんのアレルゲンを特定し、それだけを避ける程度でよいのではないでしょうか。成長期でもあり、なるべく子どもの好きな物を食べさせてあげてください。
 アトピーに対して周囲が過敏になりすぎるような傾向は、感性豊かなお子さんに育てるうえでよいこととは思えません。多くのお子さんは、成人型に移行することなく治っていきます。私の兄妹もそうでした。これは事実ですので、まずは、何よりも替えがたい「子ども時代」を大切にしてあげてほしいです。
 もし、お子さんの症状が悪化する何らかの兆候(たとえば、この食材を使ったときに悪くなる、これに触ったら悪くなるなど)に気がついたときは、ぜひ避けるようにしてあげてください。子ども自身で制御することは難しいようです。日常での親御さんの注意によって、症状が改善するケースもままあるようなので、神経質になる必要はありませんが、普段よりしっかりと目だけは光らせておいてください。
 中学、高校時代までアトピーを引きずるようであれば、残念ながら長期戦を覚悟し、早めに快方に向けた生活スタイルを見つけること。これに注力すべきだと思います。「もう治るから」「きっと治るよ」などと声をかけるのは、本当に優しいことだと思います。しかし、成人型に移行したときの本人の落胆は激しいはずです。そんなときは、気休めの言葉をかけるのではなく、より快適な暮らしを手に入れられる工夫を本人と一緒に模索するべきだと思います。ただし、親主導でやっても、結果が伴わなければ親のせいにされてしまうのがオチです。よく話し合って、治療の方向性などを決めていくのがよいでしょう。

(つづく)

【柳 茂嘉】

(プロフィール)
柳 茂嘉(やなぎ しげよし)
1975年生まれ。山口大学経済学部卒業。データ・マックス編集部記者を経て、現在フリーライターとして活動中。幼少期よりアトピーを患い、脱ステロイドなどの過酷な治療も経験。より完全な症状コントロールを目指し、体質改善策を模索し続けている。

関連記事

powered by weblio


特別取材一覧
特別取材
2011年6月24日 07:00
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル