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言論の自由は、無限でなければならない 『日米振り込め詐欺』本への評価のこと(1)
特別取材
2009年6月16日 18:14

政治経済評論家 副島 隆彦 氏

 まず、この4月末に出した私の『日米「振り込め詐欺」大恐慌』(徳間書店刊、2009年4月)について。私の本の熱心な読者や、「学問道場」の会員の皆さんたちからは、「今度の本はあまり新鮮味がなくてつまらなかった」という手厳しい評価をいくつか頂いた。これはこれで事実であろう。「次の本に期待する」とか、「次作で挽回してください」と失礼なことを平気で書いて寄こした人たちもいた。私は多少むっとしたが、「そういう厳しい評価になるのだろうなあ」と納得した。
 私なりの反論がある。この本はよく売れている。今も全国の書店で売れていて、ほとんどの書店では一番いい場所に置いてあるはずだ。とくに今度の本は、地方の書店で売れていて、売り切れになった書店もかなりある。
 地方にお住まいで、ネットで情報を素早く取るとか、最先端情報を抜け目なく、目ざとく収集するというようなことをしない、私の本の読者の皆さんは、今度の本に驚いてくれている。「こんなことまで書いて大丈夫ですか」とか、「たくさんの真実がわかってよかった」という意見が寄せられた。「この著者の命は危ないのではないか」という意見もかなりある。
 それはきっと、この本に「年金テロ」のことを前半で公然と暴き立てて書いたためだろう。それと後半で、ローマで中川昭一元財務大臣のワインに薬を盛った読売新聞記者・越前谷知子(36)の顔写真まで載せて、彼女ら女性記者たちの悪行を暴き、厳しく批判したこともあるだろう。
 「年金テロ」のことをはっきり書いて、日本の警察や検察までがグルで、真犯人追跡をせずに、覆い隠して日本の年金制度が危ないことを官僚トップたちと警察機構までが今や共犯者となって隠蔽していることを書いたからだろう。
 インターネット言論の世界では、こういうことは当たり前のこととして通用している。ところが、全国の書店に並ぶ本を出す出版社のレベルになると事情は違う。今度の本に私がいろいろと名指しで指摘して、彼らの素行の悪さを糾弾した。名指しであれこれ書いたことが多くの読者たちに衝撃を与えている。私は、分かりやすい文章で、徹底的に事実を明らかにした。ところが、今の日本の出版業界の枠組みでは、あれらのことは、あそこまで公然とは書けないこと、書いてはいけないこと、になるのだそうだ。この事実に、著者である私が一番驚いた。
 ただし私が糾弾するのは、公人(public personage=パブリック・パーソネッジ)である人々のことだ。公人のプライヴァシーの権利は大きく縮減する。それは世界基準の法思想だ。皆の代表者(公務員)は、プライヴァシーを主張してはならない。  皆(国民)の代わりに、代表(リプレゼンタティブ)として権力を握っているのだから、立派な素行の人間でなければならないからだ。プライヴァシーを暴かれたくなかったら、公務員をやめるべきだ。
 私がこれまでずっと書いてきたとおり、日本のテレビ局5社・大新聞5社の10社が、全部アメリカの手先になっているから、日本国民には大きな真実が伝わらない。日本国民はアメリカの力で洗脳され、情報統制され、思想(思考)管理されているのだ。この思想・情報統制を打ち破って、何とか単行本市場(ビジネス書)で全国の人々に本当のことを知らせたいと、私はずっと考えてきた。
 今度の本も、出版社の編集長が一生懸命努力し、書き手である私の意を酌んでくれて、何とかこれだけの内容を本の中に載せてくれたわけである。編集長と二人で、この本ができるまで、本当に苦労した。2カ月間心血を注いだ、と言っても過言ではない。そのせいで私は、この本が書きあげた直後から少し体調を崩した。  私は、何十度もワーワーと怒鳴って「なんとかこのことは載せてくれ。この一行は削らないでくれ。あっちの行も削らないでくれ」という厳しい争いを出版社とやった。
 インターネット上であればあれほどの情報が流れ、多くの事件がその深層まで含めてどんどん書かれているのに、一般の商業出版物ではとてもこの本に書いた以上の危険な内容を一般の流通市場としての出版物には載せられない。このことを、私自身が学んだ。だから私が今もこのことに一番驚いている。
 出版社の内部で、もしかしたら読売新聞社から訴えられるのではないか、と議論があったそうだ。このことも私は本が出てから知った。こんなにも世知辛いものなのかと、苦々しく思った。
 それでも何とかこの本を出せて、そして全国で読んでもらって、私はほっとしている。出版の差し止め請求とかの法律的なトラブルも、私が現時点で知る限りは起きていない。よかった。

~つづく~

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