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特別取材

ニジェール奮闘記(1)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年7月16日 08:38

1.青年海外協力隊とは
 私は2年間、世界最貧国の一つといわれる西アフリカのニジェールという国で生活していた。日本からアフリカは遠く、さらにニジェールになると「どこ?」という人がほとんどである。これから数回にわたって、私がニジェールという国で見てきたこと、感じたことについて連載していく。私は青年海外協力隊という、国のボランティア事業でニジェールに派遣された。本シリーズを始めるにあたって、まず、青年海外協力隊の募集から派遣国赴任までの流れを解説する。

 募集は春と秋の年2回行なわれる。私は6月の春募集に応募し、英語と専門科目の1次試験を合格したあと、東京・広尾の2次試験で面接を受けた。今は1次試験がなく、書類審査の後に広尾で面接が行なわれるという。応募するにあたって特に注意したいのは健康面。というのも、一般の健康診断レベルではないほど精密な検査が行なわれるからだ。これから応募しようと思われている方がいれば、特に食生活には十分に注意しておいていただきたい。

 2007年1月私の協力隊生活は、地元の人が異常気象だという、冬なのに雪のない、長野県駒ヶ根市から始まった。訓練所の場所はとある山中。買い物に行こうにも、一番近いコンビニまで歩いて30分はかかるという辺鄙な場所である。

 青年海外協力隊では、赴任国派遣の前にまず徹底した訓練が行なわれる。訓練の大半は、朝の8:45から昼食をはさんで15:00までの語学訓練。私はコンゴ人の講師からフランス語を学ぶことになった。英語に慣れた日本人にとって、フランス語の発音は少々厄介だ。うっかり子音を発音してしまうと、「それでは通じないよ」と再三注意された。他にもスペイン語やスリランカで使われるシンハラ語などの教室もあり、世界にはさまざまな言語があるなぁ、と改めて思わされる。

 訓練所には男女合わせて200人もの隊員“候補生”がいて、70日間合宿所で寝泊りする。そこでは「生活班」と呼ばれる20人ほどのグループに分けられ、毎朝の点呼で人数確認される。各生活班のリーダーが叫ぶ「異常ありません!」の声。どことなく軍隊の香りがする。時々訓練に耐えられず脱走する人もいるという。私の所属した生活班には、コロンビアへ行くレントゲン技師や、バングラディシュへ行く空手の先生、太平洋トンガへ行くそろばん講師など、さまざまな仕事に携わる人々がいた。訓練が終わると晴れて候補生から隊員となる。
 
 世間と隔離された訓練所での生活は、隊員にとって忘れがたい思い出となる。中には、派遣前の訓練が一番楽しかった、という人もいるぐらいだ。
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 無事に訓練を終え、私がニジェールに到着したのは3月の下旬。これが一国の首都の空港なのかと思わせるほど小さな空港である。ひたすら暑かったことを記憶している。

 隊員となって派遣国に着くと、1ヵ月間は現地に慣れるためと現地語の習得のため、再び語学訓練が行なわれる。私は農業学校の一室を借りて、語学訓練を受けることになった。ニジェール人講師がフランス語で現地語を説明するのだが、さすがに初学者が日本で受けた2ヵ月間の訓練だけでフランス語を理解できるはずもない。辞書を片手に、片言のフランス語でなんとか会話を成立させながら、徐々に言葉と生活に慣れていく。この研修が終わると、隊員は環境局や教育局といった配属先に赴任し、いよいよ業務に携わっていくことになる。

~つづく~

【廣瀬】


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