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ニジェール奮闘記(2)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年7月17日 08:41

2.暑さと埃
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 ニジェールに到着してまず感じるのが、暑さと埃っぽさである。ただし、暑いといっても日本のような蒸し暑さではなく、乾燥した暑さ。ちょうどドライヤーの風をイメージしてもらえればよい。日陰に行けば汗は瞬く間に引いてしまうし、脱水していないジーンズを干していれば2時間でパリパリに乾く。特に4月から6月までが最も暑く、気温は40度から50度近くまで上がる。ためしに30分ほど外を歩いてみたが、ふらふらになった。1.5リットル入りペットボトルを2本空けてもまだ足りない。

 暑さは深夜まで続き、やっと眠れると思えるようになるのは夜の12時を過ぎてからである。エアコンは高価なため、隊員の生活費レベルでは購入できない。家の中だと暑くて眠れないので、外に蚊帳を張って寝ることになる。しかし朝の6時ぐらいにはもう気温が上がってくるため、ぐっすり眠ることができない。この時期に多くの協力隊員は体調不良になる。逆に12月から1月にかけては気温が下がり、日本人にとって唯一すごしやすい時期となる。30度を下回ると湿度がないため寒く感じる。冬に私が「寒いね」とニジェール人に話しかけると「嫁さんをもらったらあったかくなるよ」なんていうお茶目な回答が返ってきた。恋愛話はどこへいっても盛り上がる。全世界共通の話題である。

 埃は年中ひどく、3日ほど家を空けて帰宅すると、家の中にもかかわらず床に砂が溜まっている。とくに冬はひどく、「ハルマッタン」と呼ばれる東からの貿易風が吹く。サハラ砂漠南縁に位置するニジェールは砂が多い。この風が砂を巻き上げる。砂は0.5~1.0ミクロンと極めて細かく、ひどいときにはハンカチを口に当てていないと呼吸ができない。巻き上げられた砂に遮られ、太陽が白く見えるほどだ。

 隊員の多くがパソコンやデジカメを持参するが、この過酷な環境下では精密機械は2年間の任期を全うすることはできない。だいたい壊れる。精密機械の敵は暑さと埃。私のパソコンもデジカメも2年間持たなかった。中には2年間の任期中に、4回買い換えた人もいる。私のデジカメは使い終わると常に砂が入らないようにビニールの袋に入れて厳重に保管していたのだが、あるとき電源を立ち上げたらキリキリとイヤな音がした。レンズが開かない。さっそくデジカメを修理してくれるというモロッコ人が経営するカメラ屋さんに持っていき、修理を依頼した。数日して再び訪れると、「ニジェールじゃだめだ。日本に帰って修理しろ」と言われた。

 デジカメなどの精密機械を、業者を通じて日本から運びこむのは、輸送中の破損や、盗難などがあるためリスクが高い。関税局の職員が中身の確認をするのだが、日本製の精密機械は職員から盗まれるのである。そのため、多くの隊員は日本からニジェールに来る学術調査の大学教授や、開発コンサルタント、新しく赴任する隊員に頼んで持ってきてもらうということがしばしばある。

~つづく~

【廣瀬】


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