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特別取材

ニジェール奮闘記(10)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年8月12日 08:08

10.植林活動

 サハラ砂漠の国・ニジェールで生活していると、とにかく砂が多いことに圧倒される。小学校の校庭の砂場を常に歩いている感覚である。砂が多いところだと靴が埋まってしまう。バイクで砂にはまって動けなかったことや、こけてしまったことは何度もある。雨が降れば砂が泥に変わり、車がスタックする。砂ぼこりで呼吸困難になったり、目をやられたりと、常に砂との戦いである。このまま、この国は砂に埋まってしまうのではないか、と真剣に考えたことがある。
 前回はニジェール川についてお伝えしたが、毎年15cmずつ川幅が狭くなっており、あと50年もすれば川がなくなってしまうとニジェール人はいう。また、長老たちに話を聞くと、年々雨が減っており、森が砂漠になっているという。現在、砂の大地を緑化する計画が国家プロジェクトで進んでおり、住民を動員してニジェール川に入る砂を防ぐ「防砂柵」を作るなどの対策を行なっている。

防砂柵を作る
防砂柵を作る

 私たちが行なっていた活動の1つに植林活動がある。木が1本あれば、人が1人生活できるといわれている。私の職場だった環境局には、常にたくさんの木の苗木があった。苗木はニームという木で、痩せた土地でも成長するという特性を持っている。これを学校に配り、毎日生徒に水やりをしてもらうことで木の大切さを知ってもらい、環境教育につなげるというものである。しかし、苗木を渡したからといって、大事に育てる子どもはまれである。2、3日は水やりをするが、それから先は飽きてやめてしまう。そういうことがないように、はじめに教員と話をし、環境教育の授業をしてもらって子どもたちに木の大切さや砂漠化について知ってもらう。そして、校庭に植林を行い、学校が終わるとクラブ活動の1つとして毎日水やりをしてもらうような手順を示し、教員の了承を得たうえで苗木を渡していた。

苗木を持つ子どもたち
苗木を持つ子どもたち

 ニジェールではあちこちに家畜がいるので、苗木の葉はすぐに食べられてしまう。そのため、苗木の保護柵を作る。そして、名札を付けて終了である。学校の中には3年かけて校庭をニームの木でいっぱいにしたところもあるなど、ニジェールでは各地で植林活動が盛んに行なわれている。
他にも井戸の近くに植林することで、女性の休憩場所の作成や、グループで泊まり込み、年に1度行なわれる植樹祭で環境に関するビデオ上映会を前夜祭で行なうなど、各地で環境に対する啓発活動を実施していた。

~つづく~

【廣瀬】

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