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ニジェール奮闘記(13) 番外編 南フランスの旅(3)
特別取材
2009年8月24日 08:00

 アヴィニョンから1時間圏内で、多くのローマ遺跡に行くことができるが、私はアルルへ向かった。
 アルルはローマ時代のコロセウム(闘技場)がきれいに残っていて、ビゼーの『アルルの女』や、ゴッホが生活した町として有名である。アルルの駅に到着して30分ほど町へ向かって歩くと、普通の住宅地のなかから突然コロセウムが現れる。現在も定期的に闘牛が行われている。
アルルの古代劇場 アルルには見所が多い。ローマ時代の公衆浴場の跡や古代劇場、地下遺跡、ゴッホの絵のモデルになったカフェなど、丸一日じっくり見ることができる。私が特にお勧めしたいのは少し郊外にある古代アルル・プロヴァンス博物館だ。ローマ時代の棺や床に描かれたモザイク画などが展示されており、歴史好きにはたまらない施設だ。
 アルルから電車に乗って30分ほどでアヴィニョンに戻れるのだが、私が乗ろうとしていた電車が突然運休となった。理由はよくわからないが、フランスは先進国とはいうものの、日本のように時間に正確ではない。TGVは時間に正確なほうだが、一般の電車は突然の運休や遅延などが頻繁に起きるので注意したい。
 次の日に向かったのは、ローマの水道橋ポン・デュ・ガールである。ガルドン川の橋という意味である。移動手段は普通のバスしかない。日本だと観光地には直行で専用バスがあって、頻繁に運行されていると思いがちだが、そういう便利な移動手段は期待しないほうがよい。アヴィニョンからポン・デュ・ガール行きのバスは一日に1本しかなかった。
ポン・デュ・ガール バスを降りて10分ほど歩くと入口が見える。そこから歩いて5分ほど行けば巨大な水道橋が見えてくるのだが、とにかくその巨大さに圧倒される。ニームという町に水を通す目的で高さ40mの高層建築物を造ったのである。この橋の周りはハイキングコースになっており、その日が休日だったこともあって、多くの人が川でカヌーを漕いで楽しんだり、老夫婦が山登りを楽しんでいた。
 南フランスを離れる最終日にオランジュという町へ寄った。ここはローマ時代に作られた凱旋門と古代劇場のある小さな町である。初めに凱旋門へ向かった。ところが、世界遺産にも関わらず、凱旋門の周りには車が走っているだけで、とくにこれが凱旋門であるというような趣意の看板があるわけでもなかった。観光客もいない。少々落胆したが、2,000年前の遺跡が現代にも残っていることの奇跡を感じた。
 私が立ち寄った日は、古代劇場でローマ時代の兵士の格好をした市民ボランティアが観光客相手に、その当時の剣闘士の戦いを再現してくれていた。私が「自分も盾を持ちたい」というと、「体が貧弱だから駄目だ」と断られた。私は若干痩せているほうだが、標準の日本人の体格で装備できる代物ではない。結局あきらめ、試合を見ることにしたのだが、とにかく激しい体のぶつかり合いである。たしかに、日本人には厳しそうであった。
 フランス人は自国に対する誇りが強く、フランス語ができないと話もしてくれないような人が多いと聞いていたが、そのとき旅した南フランスでは、皆フレンドリーだった。フランス国内では、パリを離れると英語の標識が少なく、言葉も通じにくい。日本人旅行者にとって大変な国かもしれない。しかし、田舎に行ってこそ、その国の魅力、本質が見えてくる。海外を旅行する際は田舎を散策してみてはいかがだろうか?

~つづく~

【廣瀬】

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2011年6月24日 07:00
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