地域の活性化には広い視野が必要
特色を活かした地域の発展に貢献する
<原点に返り「おらが銀行」目指す>
―これまでのキャリアを考えると、東京の関連会社の社長に就任するなどの道もあったと思いますが、筑邦銀行に入行された。何か理由がおありだったのですか。
佐藤 いや、私はもともと福岡の出身ですし、親族や知り合いもいますから。東京は大学時代以降の友人しかおりません。関連会社だけではなく、外資系も考え悩んでいましたが、今思えば外資系に行かなくてよかったですよ。
最初にもお話しましたが、メガバンクとはいろいろと違いますが、非常に面白みを感じています。当行の規模であれば、おかしいところがあったとしてもすぐに変えることができる。しかし、大手だと舵をきるにも一苦労です。そういった部分では、やり甲斐を感じますね。
また、自分の親も筑邦銀行に勤めておりましたし、それで育ててもらったわけですから、当然愛着もあります。また、お客さまには私の父や祖父のことも覚えておられる方々も多く、あたたかく迎えていただき、本当に感謝しています。東京であれば、誰もそんなこと言ってくれませんよ。
―地方のよいところ、日本のよいところが残っているということですよね。それでは最後に、地元に向けて一言、お願いいたします。
佐藤 あたたかく迎えていただいた方々に甘えることなく、頑張りたいですね。筑後地方の銀行というイメージが強いですが、さらに地元のお役に立てるためにも、福岡地区での営業強化と知名度アップを図っていきます。特に昨年末、福岡市医師会の診療報酬振り込みの指定銀行にもなりましたし、医療関係にも力を入れていく予定です。
日本全国同じような街ばかりではつまらないですよね。地域ごとの特色を出し、活性化できるよう尽力するつもりです。そのためには、必ず広い視野が必要となりますし、半世紀前に県南の商工会議所等が力を合わせて設立された「おらが銀行」という原点回帰で、地元に貢献してまいります。
【文・構成:八戸 智幸】
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