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特別取材

ニジェール奮闘記(7)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年8月 4日 09:45

7.ニジェールと教育制度
小学校の授業風景
 ニジェールで生活を始め、真っ先に出かけたのは小学校だった。学校の先生とコミュニケーションをとることから始めなさい、という先輩の指示だった。実際に教室を覗いてみると、木の棒を持った先生がフランス語を教えていた。ある子どもが指されて答えたのだが、間違えたようで木の棒で叩かれていた。間違えると容赦なく叩くのが、この国の指導方針のようである。先生が「これはなんというの?」と聞くと、「僕に当てて!」とホントに答えきれることができるのだろうかという子まで、わいわいと手を挙げてくる。間違えると叩かれ、少し涙目になるのだが、また授業に復帰する。勉強に対する意欲が高い。
 一度、小学4年生に算数を教えたことがあったが、ニジェール人は数字に少々弱いようだ。2桁の繰り上げがなかなかできない。積極的なのだが、3人ほど答えたが、全員間違えた。「違う」というと、叩かれるかもしれないと思って泣きそうな顔をする。さすがに私は叩かないのだが・・・。ニジェールでは、面白く授業をしようという先生は少ない。ひたすら暗記である。先生がしゃべったことを書き写し、それを繰り返し繰り返し声に出して暗記する。
 ニジェールで勉強を続けることは難しい。小学校に1年生で入学したのが100人いたとすると、6年生になって卒業できるのは半分の50人である。大学まで行けるのは1,000人に2人の割合である。一般的に高等教育を受けた人は仕事が多いのが当たり前の話だが、産業のないニジェールでは教育を受けたからといって、それがすぐに収入につながらないのである。結果、勉強するぐらいなら農作業を覚えたほうが収入になるということから、小学校に通っていても途中でドロップアウトしてしまう子どもたちが大勢いる。
090804_nijel2.jpg
 ニジェールの就学率は50%に満たない。就学率の向上は国家プロジェクトであり、あちこちの村に学校が建設されている。そうなると教員が必要になるのだが、現状として教員が不足している。教員になるためには養成学校に2年間通わなければならないのだが、教員を増やすために養成期間を1年間に短縮したことがあった。すると教員は増えたものの、教員の質が下がり、フランス語を話すことすらままならない教員が増えてしまった。ある学校の校長が、「教員の質が低くて困っている」と嘆いていた。
 また、教員の給料が安いのも問題の1つである。それでいながら、政府が給料を払うことができないことがたびたびあり、よく教員が授業をボイコットする。普通は授業のある日なのに、校長自らが教えているが他の教員はいない。「どこに行ったの?」と聞くと、「首都のニアメに行った」と答えてくれた。校長は正規雇用なのだが、一般教員は契約教員がほとんどであり、よく授業を休む。授業が成立していないのである。
 JICAでは、住民主体で学校を運営しようという「みんなの学校」プロジェクトを進めている。国だけでなく、地域住民が主体となって学校を運営するものである。なかには、村人自らが先生となって授業を行なっているところもあるようだ。


~つづく~

【廣瀬】

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