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特別取材

ニジェール奮闘記(9)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年8月11日 10:05

9.ニジェール川

 ニジェールの首都・ニアメには、アフリカで3番目に長い大河・ニジェール川が流れている。ニジェール川の全長はおよそ4,000km。アフリカの西ギニアの山地を源流とし、砂漠の真ん中を蛇行してナイジェリアを通り、ギニア湾・大西洋に至る。
 川幅が広く、日本の川のように流れが速くないので、泥水が流れているように見える。川岸へ行くと、村人が稲作などの農作業をしていたり、子どもたちが水浴びをしていたり、魚を取っている人がいたり、洗い物をする人がいたりする。中には川の水で洗車している人がいたりと、ニジェール人の普段の生活を垣間見ることができる。
 井戸がない村では川の水を飲み水とし、もちろん料理にも使っている。私もときどき川の水を使った料理を食べていたが、寄生虫の問題から「沸騰させた水を使ってくれ」と再三頼んでいた。ちなみに、日本人がニジェール人と同じように川で泳ぐと、細菌が体内に入ったり皮膚病にかかったりするので大変危険である。川に入らないようにと注意されている。
 川での移動手段は、『ピロッグ』と呼ばれる木でできた船である。オールの先を川底につけながら漕いでいく。長老に村の出自を聞くと、このピロッグで隣国のマリからやってきたという。古くから現地で利用されている交通手段である。対岸まで1人日本円に直すと約40円ぐらいで渡してもらえる。距離に応じて料金は上がるが、交渉次第で値段は下がる。以前私が乗ったときは、船底が浸水していた。「このままでは沈んでしまう」とコップを持って乗船中は常に水を汲んでは捨てを繰り返していた。ときどき、本当に沈んでしまう時もあるらしい。ニジェール人は泳げるのかと尋ねたことがあったが、川沿いに住む民族は泳げるが、それ以外の地域の人は泳げないそうである。

ニジェール川とピロッグ
ニジェール川とピロッグ

 ニジェール川の水量は一定ではなく、季節によって変わる。川の中央にある島が一つ丸ごとなくなってしまうほどだ。6~8月が雨季なのだが、川が増水し氾濫するのが11~1月の時期である。そして、増水すると現れるのがカバである。
 11月ごろ、車で川沿いを走っていると、運転手さんが「カバ、カバ」と叫んだ。現地語だと「BANNGA(バンガ)」と発音するので、日本語と少し似ている。マリ国境の川沿いの村では、このカバは頻繁に見られるため、観光客相手の「カバツアー」をやっているところもある。

ニジェール川を泳ぐカバ(写真中央左)
ニジェール川を泳ぐカバ(写真中央左)

 実はこのカバ、凶暴であることを皆さんはご存じだろうか?カバについて調べると、アフリカでは、カバに殺される人が多いという。さすがにそういう話はニジェールでは聞いたことがなかったが、とある川沿いの村ではカバによる農作物の被害が出ている。柵をしたところで壊されてしまうし、追い払う手段もなく防ぎようがないという。
 そして、ニジェール川を語るうえで重要なのが、砂漠化の問題である。これについては、次回にお伝えしよう。

~つづく~

【廣瀬】

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