NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

ニジェール奮闘記(15)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年9月 1日 08:00

(15)テロリストの恐怖

 ニジェールでは、今年の12月に大統領選挙が行われる予定であった。今の大統領は現在2期目であり、3選されることは憲法上禁止されているので、それを踏まえたうえでの次期大統領選のはずだった。しかし、どうやら憲法が改正されて、現大統領の任期が3年延長した2012年までとなったようである。私が帰国する頃は、各大統領候補が演説に地方を回るなど少しずつ選挙戦のムードになってきていたようだったが、突然のこの決定で今後の展開が少々気になるところである。
 私が帰国する今年の1月頃に、遊説中の大統領選立候補者が反政府組織に拉致されるという事件が起こった。対立候補が雇ったテロリストという説もあったが、真実はよくわからない。日本でも拉致という言葉をよく耳をすると思うが、とくに外国では拉致は頻繁に起こる。私が2年間生活していただけでも、サハラ砂漠を旅していたイタリア人旅行者や、国連関係者、石油を探しに来ていた中国人などが拉致される事件が起こっている。とくに外国人は狙われやすい。
遊牧民ボロロ族その1
 では、拉致をするテロリストはどこに住んでいるのか?
 ニジェールの北部にはサハラ砂漠が広がっている。政府や国連が入れないこの「無法地帯」がいわばテロリストのテリトリーである。この砂漠で武器や麻薬の密輸が行なわれている。砂漠に住む遊牧民がテロリストであることが多い。砂漠は美しく、アガデスと呼ばれるニジェール北部には遺跡もあって観光資源が豊富な街として知られているのだが、万が一ということもあってJICA関係者の立ち入りは禁止されている。
 ニジェール北部にはトアレグ族という遊牧民が住んでおり、彼らは独立を求めて活動している。しかし政府がそれを許さないため、反政府組織と政府軍との衝突が頻繁に起きている。その衝突がよくニュースになるのだが、両者で意見が食い違うことがよくある。たとえば、反政府組織側は政府軍が50人死亡したと報道するが、政府軍側は誰も死亡していないというようにである。
遊牧民ボロロ族その2
 私の滞在中、首都ニアメでも反政府組織が埋めたという地雷でニジェール人ジャーナリストが亡くなったり、ニジェール第2の都市ザンデールから30km離れた町で反政府組織と政府軍が衝突したというニュースがよく入っていた。ザンデールには日本人ボランティアが生活しており、きわめて緊迫した情勢だったそうなのだが、30km離れると情報が入ってこない。ニジェール人のほとんども、そのようなことが起きているのを知らなかったという。日本のようにネット環境が発達しているわけでもなく、テレビが普及しているわけでもない。そういうなかではせいぜい噂程度の情報しか簡単に得ることができないのが、途上国の現状である。
 海外を旅行する場合、特に途上国では、日本ではちょっと考えられないような事件が起きることがある。もし行かれる際には、外務省HPなどでその国の渡航情報を事前に十分に確認することが必要である。

外務省 海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/

~つづく~

【廣瀬】

※記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


特別取材一覧
特別取材
2011年6月24日 07:00
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル