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特別取材

【特別座談会】今、問われる上場の意義と再生を担う金融機関のあり方(3)
特別取材
2009年9月 4日 08:00

コンプライアンス問題
日本独自の方法模索を

 —現在はコンプライアンスに対して非常に厳しくなってきている風潮があると思います。株主を大事にしないといけなくなってきているのは分かるのですが、あまりに株主偏重というか、企業経営そのものの舵取りを非常にしにくくなっているように感じます。
Dipro(株) 代表取締役 黒木 透 氏
 黒木 そうですね。コンプライアンスとか、コーポレート・ガバナンスとか、企業統治をするときに、アメリカのようなやり方で本当にいいのだろうか、と思うところはありますね。例えば、60km/h走行のところを61km/hで走ったから、「コンプライアンス違反だ、上場廃止だ」のようなことは、それはちょっとやりすぎじゃないか、と思います。アメリカ式のコンプライアンスにばかり縛られず、日本は日本独自のやり方を考えるべきなのではないでしょうか。

 真部 コンプライアンスに関係したところで言いますと、四半期の業績開示も、それにかかる費用は高いわけです。どんな企業であろうと、監査法人に払う費用、コンサルティングに払う費用、コーポレート・ガバナンスに払う費用など、最低でも年間6,000万円かかります。それを納めても利益が出る企業を、といわれてもそれはなかなか厳しいものがあります。

 黒木 それと、上場するときに1億数千万のコストが必要なわけです。証券会社、株券の印刷・発行、監査法人、いろいろなコストが必要となるわけです。それだけのコストをかけたうえで、利益も出さなければいけない、コンプライアンスの問題もある、と、上場する会社にとっては非常に厳しい条件がつきつけられるのです。

業態による向き不向き

 —上場されている会社から見て、現在の市場をどのように感じておられますか。

 浜崎 やはり、一番良いのは東証でしょうね。上場を目指す企業にとって魅力ある市場にしないと、地方の上場会社は、基本的に必要ないような感じもします。

 黒木 必要ないというか、取引所として経営が成り立たないという感じですね。おそらく、東京証券取引所以外のところは、いずれ市場を維持すること自体が難しくなってくるように思います。とはいえ、東証でも福証でも同じ上場は上場ですから、福岡や九州の企業が夢を持ってやってきたのに、福証がなくなってしまうと夢が途絶えることになるようにも思います。

 真部 東証にしても、新興市場を育成するという部分があります。東証一部、東証二部、マザーズがあり、規模に応じてカバーできます。つまり東証一つで、ほぼ網羅できる状況になってきているようですね。

 —この業種や企業は上場しない方がいい、というようなものはありますか。

 黒木 規制が入りやすい業種は難しいでしょうね。例えば衣料・食品など、取引先として消費者をターゲットにしている企業であれば、上場してもしっかりと下支えもできるでしょうし、株価もある程度ついていくでしょうが、取引先が限られるような一般売りではないところは、結構厳しいと思います。ですから、上場したいがために頑張るという企業と、頑張ったあかつきに上場が見えてきたという企業とでは、少し違うと思いますね。
 これまで上場に関していろいろと否定的な話も出ましたが、これから上場を目指される経営者の方にはぜひとも頑張っていただきたい、と思いますね。やはり上場に向けて頑張るのは楽しいですし、夢を語ることもできます。私も54歳ですが、もう1回やりたい、という気持ちはありますね。

~つづく~

【文・構成:坂田 憲治】

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