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特別取材

ニジェール奮闘記(29)~世界で一番貧しい国から~
特別取材
2009年10月19日 10:28

食糧事情(4)

 首都には私たちが知っているスーパーと同じような店が3店舗ある。地方都市にはスーパーがないので、ニジェールには事実上3つしかスーパーがないといえよう。ここにはソーセージやハム、チーズ、スナック菓子、アルコールなどの飲食物から、食器や石鹸などの日用雑貨まであり、ある程度のものを購入することができる。

 ちなみに、このスーパーはもともとフランス系の会社が入っていたが、現在は中東レバノンの方が経営している。ニジェールには、なぜかレバノン人が経営する店が多い。おそらくレバノンがフランスの委任統治を受けていたこともあってフランス語が通じるのと、同じイスラム教徒からだと思われる。

 ニジェールはイスラム教の国だが、なぜかビールを飲むことができる。しかも地ビールである。「マキ」といわれる屋外の店があり、そこでビールを飲みながら串焼き肉を食べるというのが、ニジェールでの居酒屋スタイルである。生ビールが飲める場所もある。そして、外国人のみならずなぜかニジェール人もビールを飲んでいる。飲酒が禁止されているイスラム教徒なのにビールを飲むのはなぜかと尋ねたところ、「飲んでもいい」とだけ返ってきた。このあたりはかなり適当である。

 ビールが出るのは早いが、料理は遅いのがニジェール流。しかも、飲み物と食べ物の会計は別々なところが多い。このあたりの仕組みはよくわからないところであるが、精算はテーブルで行なうので、レジに行くことはない。日本の飲食店だとレジで精算するのが普通なので、日本に帰国した当初は少々違和感を覚えたものである。ちなみにニジェールには、値段は高いが、中華料理の店もあればフランス料理、イタリア料理の店もある。残念ながら日本料理の店はないので、今後の出店が期待されるところである。

ニジェールの地ビール外国人向けの野外レストラン

 長々と食生活について述べてきたが、ニジェールで豊かな食生活が送れる場所は、実質物資の集まる首都しかない。地方に行けば食生活はかなり悲惨である。主食のヒエは、7~9月のわずか3ヵ月間の雨季に生産される。雨季以外の残りの9カ月間は雨が降らないので、ほかの野菜もだいたいこの時期に集中して生産される。雨季の間に1年間の食糧をすべて生産するのである。
お米を作っている様子
 雨季を過ぎて2カ月ほどすると市場にはたくさんの野菜が並ぶが、再び雨季が始まる頃には1年分の食糧が底をついてしまう。よって、雨季の間はほとんど食糧がないのである。ひどいところでは、腐ったような小さなタマネギしか残ってなく、それで何とかしのがなければいけない。地方都市に住む隊員は、よく栄養失調にかかるという。

 1997年には旱魃(かんばつ)で国民の4分の1が飢餓となった。現在も、いつ再び食糧不足になるか分からない状況である。ニジェール人に聞くと、最近雨の量が減ってきているという。雨季ですら一日中雨が降ることは少ない。2時間だけとか、単発的に急に強い雨が降るだけである。

 食糧問題は世界が抱える問題である。日本で生活しているとなかなか感じることは少ない問題だが、今後地球で生きる人間の1人として考えていかなければならない。

~つづく~

【廣瀬】


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