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特別取材

自律型ロボットの実用化・産業化は本格的に進むのか?(4)
特別取材
2009年10月22日 08:00

―テムザックの動きを中心とした同時代レポート

《ヨーロッパでは、高齢化のなかでロボット技術を福祉医療分野に導入することや、通信系ロボットによる警備ビジネスを具体的に検討し始めている》

 国や大きな組織の支援がないところで、テムザックと先端研究者によって自主的に設立された「ベーダ国際ロボット開発センター」には、国内だけでなく、海外からの来訪者が絶えない。
 5月末に旧・玄海町役場跡にセンターを設立以来、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど海外から多くの研究者、企業、政府関係者、メディアなど多岐に渡り100名以上が訪れている。

ドイツシュタインバイス大学からの視察団

 大学・研究者ではフランス、ドイツ、イタリア、韓国から、企業ではドイツ、香港、韓国から、政府関係ではアメリカ、ドイツ、イタリア、デンマーク、シンガポールから、メディアではフランス、ロシア、スウェーデン、韓国などからTV局を含め取材が相次いでいる。電話やネットでの取材、画像依頼などは南米やアフリカからも含めて世界中の多くの国から問合せが来ており、ロデムや携帯電話で操作できるロボットへの取引問合せもかなり多くなってきている。
 またロボット研究に携わっている大学生からのインターンシップの問合せも多く、夏休み期間や長いものでは半年間日本に来てロボット技術を企業の現場で学びたいという熱心な学生が多いのには驚かされる。
先日にはインドの中学生が、「将来、ロボットの技術者になりたい」と医者である両親とともに、わざわざテムザックを訪れてきたこともある。
 自然には恵まれているがこの九州の不便な場所にある研究所に、世界の関心が集まり、世界中に情報が発信されていることは凄いことだと言える。
 そのなかで特にロボットの実用化に関心が高いのがヨーロッパだ。
元々ヨーロッパはロボット研究も盛んであるが、高齢化の進展のなかで、ロボット技術を福祉医療分野に導入することや、通信系ロボットによる警備ビジネスを具体的に検討し始めている。
 デンマークは、既につくば市のサイバーダイン株式会社の「ロボットスーツ」の実験的導入を発表しており、更により実用的な福祉ロボットとしてベーダ国際ロボット開発センターが開発したユニバーサル・ビークル「ロデム」への関心も示している。
 ドイツやイタリアは通信系留守番・警備ロボットへの関心が高い。夏休み期間中、バケーションで1ヵ月留守にしている間に家具を一切盗まれていたということがあるヨーロッパならではの話と頷ける。
 また国策としてロボット産業の育成に取組み始めた韓国やシンガポール政府も、最先端のロボット技術が集約されているテムザックとの提携を探っている。
残念なのは、こうした世界の流れと隔絶された日本政府の意識の低さである。
 将来、大きな市場規模に成長していくことが予想されるロボット産業に対して、本気で取組んでいるようには思われない。   

(つづく)

【松尾 潤二】


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