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自律型ロボットの実用化・産業化は本格的に進むのか?(7)
特別取材
2009年10月26日 08:00

―テムザックの動きを中心とした同時代レポート

《テムザックの携帯電話によるロボット操作技術は、世界的に普及した携帯電話市場の今後の成長性も考えると、世界のロボット開発企業の中で、魅力的な競争力のある技術のひとつである》

 まず携帯電話によるロボット操作の第1のメリットは、通信のカバーエリアである。都市部であれば、無線LANやインターネットにより操作できるエリアもそこそこあるだろうが、都市部以外ではカバーエリアは携帯電話に遠く及ばない。
将来ロボットが普及するためには、操作する側、ロボット側がどこにあってもつながり、コントロールできることが基本条件になり、携帯電話が圧倒的に有利となる。
 携帯電話によるロボット操作の第2のメリットは、第3者の侵入がなく、タイムラグが一定であることだ。
インターネットや無線LANによる操作では、第3者による侵入リスクがつきまとう。逆に侵入した第3者にロボットを勝手に操作されたり、プライベートな家庭内の画像を覗かれる危険性がある。
 一方携帯電話での操作では、登録された番号以外の着信は一切接続拒否となり、侵入されることがない。
 また携帯電話によるロボット操作では、タイムラグ(操作時間のずれ)が一定だが、インターネット経由ではすぐに接続されることもあるが、非常に時間がかかることもあり、タイムラグのバラツキが大きく、ロボットの状況把握と操作指示が不安定になり、時間のずれの間に事故が発生する可能性もある。
 テムザックの携帯電話によるロボット操作技術は、インターフェイスやソフトなどまだより高度化する必要があるが、世界的に普及した携帯電話市場の今後の成長性も考えると、世界のロボット開発企業の中で、魅力的な競争力のある技術のひとつだろう。
 テムザックの持つ競争力の2番目は、「様々な要素技術を研究している最先端研究者のネットワークを持ち、それを全体の構想を持ったプロデューサーとしてテムザック・高本社長がインテグレートしていけること」と、さらに「ロボットという形に完成させるために必要な個々の特殊加工技術を持った協力企業群とノウハウを備えていること」である。
 こうしたプロデューサー能力は、目に見えにくいノウハウだが、意外にも閉ざされた大企業のロボット開発部隊よりも、幅広い研究者の人脈と協力企業群に支えられて、長年ロボット開発の苦労を共にしてきたテムザックの方が大きな蓄積を持っている。

テムザックの幅広い人脈を示す、ベーダ国際ロボット開発センターの国際的なメンバーたち

 田舎で自然には恵まれているが、通常のビジネスには不便な宗像市の旧・玄海町役場跡で、テムザックは「携帯電話によるロボット操作」と「最先端ロボット産業プロデューサー」という世界的な競争力を育て、自律型ロボットという全く新しい産業の離陸体制を整えているように見える。

(つづく)

【松尾 潤二】


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