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特別取材

2010年 住宅業界を考える(5)~在来工法について(2)
特別取材
2010年2月 2日 10:40

 我が国の季節・風土にマッチングした、木を中心とした住空間では、在来工法が戸建の80%を占めることは前回述べた。
 少し深耕して、「木の強度」について触れる。「日本林業技術協会」が発表しているデータを見ると、たとえば杉であれば、引っ張られる力に対しては鉄の4倍以上、コンクリートの200倍。圧縮される力に関しては、鉄の2倍以上、コンクリートの9倍以上。曲げる強さは鉄の15倍以上、コンクリートの400倍の強度・耐久性を持つ。それぞれ、現存している歴史的建造物がそれを証明している。また、2000~3000年以上も生き続ける木は、伐採されてもなお生命力を発揮し、伐採後200~300年を経過したときに一番強度を増すと言われている。一見「弱い」イメージを抱いてしまいがちだが、木の強度・耐久性・生命力は「強い」のである。

 直近の2007年5月に内閣府が調査した『森林と生活に関する世論調査』(調査対象20歳以上、3,000名、有効回答60.9%)で、83.4%が「木造住宅を選びたい」と答え、うち61.6%が「在来工法を選びたい」と回答している。89年10月の調査時(有効回答数2,358人)では、木材住宅と答えたのは81.9%、うち、在来工法が72.5%という結果だった。在来工法は10.9%ダウンしているものの、依然として根強い支持を得ている。ちなみに、木造住宅を選んだ人々が89年10月の調査より1.5%アップしているのは、2×4工法など在来工法以外の木造住宅の支持が12.4%アップしていることに起因している。
 在来工法と回答した居住地において、東京都の区部と政令指定都市の居住者が50%を超えており、中都市(人口10万人以上)でも61%といずれも高い支持を得ている。年齢別にフォーカスすると、70歳以上が78.7%、60~69歳80.1%、50~59歳67.9%、40~49歳53.9%と、やはり中高年層の支持が高い。ちなみに20~29歳30.6%、30~39歳39.7%という結果である。

 直近では、比較的若い世代の志向として、木を中心とした住空間よりも鉄骨や鉄筋、コンクリート造りにシフトするする人々が増加傾向にあることも読み取れる。職業別では、自営業者の72.3%が在来工法を支持している。中高年齢層が在来工法を支持していることは分るが、大都市圏の居住者が在来工法を支持するのは、都会の喧騒のなかにも安らぎを欲したいという意識の現われではないだろうか?

(つづく)

【河原 清明】

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