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特別取材

景気低迷時の今、外食産業はどう戦うべきか(1)
特別取材
2010年3月26日 08:00

各社の戦略から生き残り策を考える

 リーマン・ショックの影響は徐々に回復に向かっていると言われる。だが、外食産業の景況感は芳しくない。デフレが定着した首都圏では低価格化が浸透。ここ九州にもナショナルチェーンを中心として、その波は押し寄せている。景気が低迷し、弱肉強食が進むなか、外食産業界、企業は何を行ない、どこに向かえばいいのか。各社の戦略を見ながら生き残り策を考える。

<リストラかM&Aに分かれる戦略>

直営9店舗を閉鎖したピエトロ。レストラン事業のテコ入れは急務だ ここ数年、外食産業界では景気低迷による模索が続いている。ファミレスの雄、すかいらーくは2009年10月にすかいらーくファイナル店舗の川口新郷店を閉店し、介護事業からも撤退。デニーズは130店舗、ロイヤルHDは60店舗、ピエトロは直営9店舗を閉店した。
 そこには、リストラを積極化して本業に回帰するという意味合いもあるが、ダイヤモンドダイニングが「フードスコープ」を、際コーポレーションが「珍珍珍」、「餉餉」ほかを買収した点を見ると、この機会に業績拡大に乗り出す企業も出てきている。
 また、あきんどスシローはエーエスHDに、ワンダーテーブル(しゃぶしゃぶ、イタリア料理)はヒューマックスグループによるTOB(株式公開買い付け)を実施するなど、投資ファンドなどとMBO(マネジメントバイアウト)を行なうケースも増えている。
 なかでもゼンショーは、「なか卯」を始めとして、ファミレスの「ビッグボーイ」、「サンデーサン」、「華屋与兵衛」、「大和フーヅ」を続々と買収。さらに「アートコーヒー」を35店買収した。しかし、傘下のファミレスの不振や有利子負債の増加もあり、経営は決して順調ではない。
 対する吉野家HDはラーメン事業の廃止に続き、「京樽」が経営不振で18億円の赤字を計上。ステーキの「どん」は昨夏に食中毒を出すなど、笑えないオマケまでつく有様。もう一度、本業の牛丼事業を見直し、業績アップの施策を構築しなければならない状況だ。

<相次ぐ食中毒で迫らせる安全対策>

 一方で、昨年は食中毒により、外食産業の安全神話が崩壊した。大手のペッパーフードサービスやどんの2社がO157に汚染されていた角切りステーキ肉を使用したことで、全国で計45人以上の食中毒患者を出してしまったのである。
 ペッパーフードサービスの場合、調理はお客に鉄板で肉を焼き上げてもらう仕組みで、お客がサイコロ状の肉を通常のステーキと勘違いして十分に火を通さなかったため、O157を殺菌できなかったことが原因と言われる。
 どんは厨房で調理してお客に運ぶシステムをとっているが、O157に汚染されたステーキ肉などを使用したことで、こちらも食中毒を引き起こしてしまった。
 これらの事故は、明らかに調理方法に問題があると言えるが、改めて食材の加工方法から調理、調理機器までもちろん、調理マニュアルも見直す必要がある。 安全、安心と言われてきた日本の外食産業だが、 食中毒事故はここ数年は毎年のように起こっているし、昨年はモスフードサービスが一酸素中毒事故まで引き起こしてしまった。
 景気が低迷しているとどうしてもコストを削減しがちだが、再度加熱調理や機器のメンテナンスをきちんと行ない、調理のトレーニングを厳しくすれば問題は解決する。景気低迷や競争の激化でも決して手を抜かず、事故を起こさない対応が求められるようだ。

(つづく)

【釼 英雄】


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