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特別取材

日本振興銀行による 銀行法違反(検査忌避)事件(上)
特別取材
2010年7月30日 10:23

 7月14日、日本振興銀行(株)の木村剛元会長(48)ら5人が、銀行法違反(検査忌避)容疑で警視庁に逮捕、15日東京地検に送検された。かつて金融改革の旗手ともてはやされた木村前会長に司直の手が伸びたことは、金融界にも少なからず衝撃を与えた。日本振興銀行とはどのような銀行なのであろうか。その実態を追ってみた。

[COMPANY INFORMATION]
代 表:小畠 晴喜
所在地:東京都千代田区神田司町2-7
設 立:2004年4月
業 種:金融業
事業内容:銀行業(中小企業・新興企業への資金調達手段の提供・事業資金の融資等)
貸出残高:(10/3末)4,219億円
預金残高:(10/3末)5,932億円

<中小企業向けの 融資専門銀行>

 日本振興銀行(株)は、2004年4月に設立された一般顧客の定期預金および中小企業向けの融資専門の銀行である。設立当初は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の中小企業を対象に、無担保で第三者保証不要の融資を主に手掛けていたが、一般の銀行に比べて高金利とされている。同行の各店舗には、便宜上支店コードは付加されているものの、口座店は千代田区神田司町の本店1店舗のみである。なお、普通預金を扱っていない関係からか、「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」には加盟していない。
 05年1月1日、取締役の辞任が相次ぐなか、創業メンバーで取締役会議長(社外取締役)の木村剛が自ら社長(その後取締役会長)に就任した。しかし、今年4月30日に金融庁より銀行法に基づく報告命令が出され、5月10日に取締役会長を辞任している。
 また、その後5月27日には金融庁より行政処分を受け、7月14日に木村元取締役会長ら元役員が銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕されている。

<大幅欠損となった2010年3月期決算>

 前期決算では、中小企業向け貸出が増加したことなどを主因として、経常収益が前年度比で3割弱伸長した。しかし、貸倒引当金を大幅に積み増したため、経常損益は38億円の欠損を計上しており、当期損益においても51億円の損失となっている。
 同行は、「建設業」「飲食店」「卸売業」「IT企業」などの12業種に対する融資商品や在庫、不動産、株式などを活用するローン商品の開発、元金返済の負担を軽減した「中小企業活性化ローン」「とことん応援ローン」「金利オンリー」などの新商品を相次いで投入している。
 このような施策により、前期末の貸出残高は4,219億円(前年度比+34.6%)と4,000億円を突破した。しかしながら、前期末におけるリスク管理債権が248億円に増加した結果、貸出金に占めるリスク管理債権比率は5.9%となっている。この貸出の伸長は、設備資金の需要減少などによって、メガバンクをはじめとした市中金融機関の貸出が伸び悩んでいるのとは対照的である。

日本振興銀行(株)経営・財政成績

(つづく)

【久米 一郎】


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