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特別取材

中断していた工事が再開 乗り切ったか!?~コンダクト(株)(中)
特別取材
2011年2月15日 07:00

<2つのできごと>

 08年秋以降、リーマン・ショックの影響で不動産市況が悪化したことは周知の通りである。同社を取り巻く環境にも、停滞感が漂っていた。これまで破竹の勢いで業績を伸張させてきた同社の業績は、この時期を境に変化することとなる。
 公開されている要約貸借対照表を見ていただきたい。07年11月から08年11月までの流動資産は69億円台で、ほとんど変化はない。その内訳の大部分は所有している不動産であり、金額にして60億円を超えている。また、40億円を超える有利子負債の存在も大きい。
 しかし、翌期よりこれまで公開されていた決算内容が非公開となったため、09年11月期の内訳は正確に把握できていない。仮に有利子負債の圧縮が進んでいなければ、重大な事象になりかねない可能性もある。10年11月期はどのような決算内容であったのか、こちらも発表が待たれる。
 そのようななか、さらなるできごとが発生した。同社と施工会社との間で工事代金の支払いを巡り裁判沙汰となったのだ。同社は(株)イチケン(本社:東京都、業種:ゼネコン)から1億3,702万円の工事代金請求に関して訴訟を起された。その内容は08年8月29日に契約した「コンダクト箱崎ふ頭3丁目マンション(仮)」(福岡市東区)の請負代金6億8,512万円のうち、3階躯体完了日の翌月末日となる09年4月30日に支払われるべき1億3,702万円が支払われていないため、訴訟となった。
 裁判資料によれば、同社がかかる支払いを履行しなかった理由は、イチケン側が基礎杭の杭芯にズレを生じさせるミスを発生させたことが原因としている。しかし、イチケン側の主張では、この基礎杭の杭芯にズレに関しては基礎の修正変更で対応したとし、両社の言い分は食い違いを見せていた。その結果、箱崎のマンションは建設途中にもかかわらず、工事は中止となった。建設中止に至るまでの顛末は以下の通り。

「アイ・セレブ博多南」(博多区竹下) ・コンダクトは、08年12月1日に完成した物件「コンダクト竹下2丁目」(※)の建設残代金2億1,000万円の支払い条件の変更を要求。本来、08年12月30日に支払うべきものを09年2月27日支払いと変更を依頼→イチケンは了承した。
 ・09年2月17日、コンダクトは竹下の物件の2億1,336万円(含追加工事代金)を支払えない旨を申し入れ、4分割支払いへの変更を要求した。
 ・09年4月30日、コンダクトは4分割支払いのうち、1回目と2回目は支払いが済んだが、4月30日の3回目の支払いができず。5月29日の4回目に3回目分を含める一括での支払いを申し入れ。
 ・09年5月29日、コンダクトは当日分の支払いができず。
 ・09年6月4日、コンダクトは竹下の物件分の1億円と箱崎分の1億3,702万円を7月15日に支払うと申し入れた。これに対し、イチケン側は6月10日に竹下分5,000万円と箱崎分1億3,702万円、6月15日に竹下分の残金5,000万円の支払いを要求。他方、コンダクト側は6月30日に竹下分5,000万円、7月15日に竹下分残金5,000万円と箱崎分1億3,702万円を支払うと念書を交わした。当該念書のなかに、「この支払いがない場合は箱崎の工事を中止すると記載」があった。

 竹下の物件については念書を交わした通り支払いがあり完済したが、箱崎分の1億3,702万円は念書通りの履行がされず、箱崎の工事は中断した。
 同社側の言い分としては、(1)杭芯のズレへのイチケン側の対応について承諾していない、(2)イチケンに対し、工事完成保証を入れることを要求したが拒絶された、(3)杭芯のズレは工事未完成および瑕疵と評価されるべき。以上3点を主張したが、10年4月20日、福岡地裁にて同社がイチケンへ箱崎分の1億3,702万円の全額支払うことで和解となった。なお、かかる判決にはその後の支払いについても当初の契約通り、工事の進捗に合わせて期日に遅れることなく支払うように明記された。
 しかしながら、和解が成立していたにもかかわらず、かかる箱崎の物件の工事が再開される兆しはなく、その動向には注目が集まっていた。
 その後、イチケン側は和解に合意したことを受けて、第二回の支払いについて同社へ問い合わせたうえで了承を得て請求書を発行したが、期日を迎えても支払われることはなかった。支払いに関しての問い合わせでは、以前と同様の支払い延期を申し出るなど誠意ある対応とは言いがたく、改善が見られなかったとして、イチケンは同社を相手に約2億550万円の未払額の請求を福岡地裁に申し立て、10年12月2日に第1回弁論が執り行なわれた。

(※):博多区竹下2丁目に所在、現在の建物名は「アイ・セレブ博多南」

要約貸借対照表

(つづく)

【新田 祐介】

コンダクト(株)
代 表:和田 克之
所在地:北九州市小倉北区浅野2-17-38
設 立:1994年11月
資本金:4億6,713万円
業 種:不動産売買、賃貸、仲介、投資ほか

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