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相次ぐLCCの参入で拡大する空路(4)
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2012年7月 5日 10:22

<旅行者の需要を拡大>
 エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOが言及しているように、大手航空会社とLCCの市場での関係は、ブランドショップとユニクロの関係にも似ている。

 ユニクロは、ブランドショップの顧客を奪うのではなく、むしろ、市場の需要を喚起し、拡大した。ヒートテックなどの自社製品を開発し、安いだけでなく付加価値を高め、幅広い年齢層にユニクロの服を着てもらうことに成功している。

 エアアジアも、これまでは、飛行機で移動しなかった客層の心をつかみ、マレーシア、タイなどアジア全体の経済発展の時期とも合致し、旅行客やビジネス客の需要を呼び起こした。

0705_ana.jpg LCCが「移動そのもの」と「気軽に移動できる楽しみ」を売るのに対し、ANAやJALなど大手航空会社は、より付加価値の高い快適なサービスを売っていくことを目指す。東レの炭素繊維を素材として使用しているボーイング787は、燃費効率もよく、中型機でありながら、長距離路線を飛ぶことが可能。このボーイング787の登場で、利益を上げにくかった中~長距離路線でも利益を上げやすくなった。中~長距離路線の充実を図り、LCCとの棲み分けを行なう。また、ANAは、新たな顧客獲得にも動き出している。島根県益田市など地方の空港での需要の掘り起こし、地域観光の振興のサポートに一役買ったりするなど、顧客層の拡大に奮闘している。人気アニメの「エヴァンゲリヲン」とタイアップして、顧客の世代の拡張を狙うなど、知恵を絞っている。

<観光振興の一手に>
 LCCは、アジアなどからの旅行者の増加にも一役買いそうだ。マレーシア、タイなどでは、エアアジアの赤い旅客機は、便利で安い移動手段としてブランドが確立しており、エアアジア・ジャパンの国内便も、アジアからの旅行客の間で日本の各都市を安く周遊するのに重宝されそうだ。ジェットスターは、台湾、フィリピン、韓国などと結ぶ便を発着させる予定。バス会社や旅行会社と連携し、成田空港から都心や観光地までを安い便でつなぎ、外国からの旅行者の獲得を狙う。

 日本から外へ出る旅行客ももちろん増えそうだが、LCCの航路が多様化することで、海外から日本へ入ってくる観光客の増加が見込め、インバウンドの効果が期待できる。これらのLCCの生み出す需要の取り込みは、観光立国に力を入れる日本の観光産業にとっても欠かせないことになる。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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