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城島光力財務大臣も暴力団と癒着?~「ニッポンの踏み絵」玉川 徹著(幻冬社新書)
書評・レビュー
2012年10月22日 11:14

 限りなく黒に近い田中慶秋法務大臣が居座りつづけるなか、今度の話題は城島光力財務大臣だ。今、発売中の「週刊文春」によると暴力団関係者から選挙応援を受けていたことが明らかになった。同じ指定暴力団稲川会である。
 「民主党」と「稲川会」は何か関係があるのだろうか。この内閣は「在庫一掃内閣」と言う評判であるが、不良在庫のオンパレードだ。

 本書は「国民」の敵を見つける本である。同時に、次期総選挙に向けての選挙対策本でもある。日本、そして我々には"間違えた!"と言う時間はもう残されていない。

 2012年は「官僚完全復権の年」と言われる。政治主導を掲げて政権交代した民主党が最初にするべき仕事は公務員改革だった。しかし、政権はとったものの、国政の内実が分からず、右往左往して予算編成ができなかった時に、官僚の中の官僚である財務省がつけ込んだ。その後は、無能無策が判ってしまい、霞が関官僚のやりたい放題だ。笑いが止まらない。しかし、その被害は全て「国民」に及ぶのである。いつの間にか、財務省の悲願「消費税率の引き上げ」が可決、「大飯原発」が再稼働、原子力規制庁が骨抜きにされた。

 著者はテレビ朝日のディレクター兼レポーターである。現在、毎週木曜には、レギュラーコメンテーターとして、日本の直面する問題を分かりやすく掘り下げる解説で人気がある。

 民主党が終わったことは分かった。しかし、では次の総選挙で民主党の様な「エセ改革者」をどう見分けたらよいのかが分からない。選挙になると、候補者の全員が「日本を変える」とか「維新を起こす」と改革者を気取るからだ。大勢の偽者の中から本物を見分ける試薬が必要だ。それを著者は「踏み絵」に例えた。

 「エセ改革者」見分ける為に、著者が用意した「踏み絵」は次の5つである。
 1.国会議員の歳費を700万にする 2.公務員宿舎を廃止する3.年金は国鉄清算事業団方式にする4.財政に対GDP比のキャップを設ける5.原発を廃止する

 本書を読むと良くわかるが、現代の政治家は間違いなく"美味しい職業"である。権力欲や名誉欲、支持団体や出身母体の利益、そして自らが手に入れてきた役得の為に、政治家は政治家を辞められない。

 最近のニュースでは、次期衆院選に不出馬を表明した自民党のベテラン議員の後継の多くに息子が名乗りを上げた。武部元幹事長は長男、福田元首相は長男、中川元幹事長は次男、大野元防衛庁長官は長男、田野瀨元総務会長は次男だ。まるで、「八百屋さん」や「魚屋さん」を継ぐ感覚だ。
 「政治屋」と言う呼び方が正しい。こんな世襲が許されるおかしな国は、世界的に見ても日本だけだ。しかし、すぐには直せない。その直す権利(立法権を含めて)を彼らが握っているのだ。

 「国民」は、自分の目で、「エセ改革者」を見破るしかない。その時に、参考にして頂きたいのが、先に著者の挙げた5つの踏み絵である。

 今、自民党、民主党、公明党幹事長の三者会談の政治報道がある。まるで茶番である。有り体に言えば、「互助会」である。しかし、大新聞の記者は批判を一切しない。もっとも、最近の読売新聞等の杜撰な報道を見ていると、既に"裏を取る"姿勢が欠如しているのかも知れない。

 「国民」は自分で、自分を守らなければならない。しかし、「国民」は、彼らを入れ替えることのできる "一票"を持っていることを忘れてはならない。

<プロフィール>
三好 老師 (みよしろうし)
 ジャーナリスト、コラムニスト。専門は、社会人教育、学校教育問題。日中文化にも造詣が深く、在日中国人のキャリア事情に精通。日中の新聞、雑誌に執筆、講演、座談会などマルチに活動中。


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