ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

書評・レビュー

男の色気を失うことが一番由々しきこと!~「 医者の私が、がんを消した食事法」中野重徳(中経出版)
書評・レビュー
2012年11月19日 14:45

 面白くとても為になる本である。日本は「国民皆保険制度」が充実している反面、健康食品・サプリメントに関しては後進国だ。そして、医薬品業界と健康食品・サプリメント業界は、あまり仲が良くない。さらに厚生労働省は自省の管轄を医薬品、食品業界に絞り、健康食品・サプリメントを国民の健康を守るという使命を持たない「消費者庁」に切り離している。

 著者は、神奈川県相模原市にあり、病床170を有する医療法人徳寿会相模原中央病院の外科医であり、理事長である。81歳の今でも、医療法人の運営、週3回の外来、月数回の研究会への出席、医師会や病院協会の役職をこなし、時々銀座のクラブにも飲みに行く。ここ10年、がんは消えた状態を保っている。

 その著者が「低文化型」という悪性度の高い前立腺がんになったのは、2003年の71歳の時である。当時の著者は、忙しすぎる診察、不規則な食生活、度がすぎる夜遊びと飲酒で「夜の帝王」みたいな生活だった。当時の前立腺がんの基本的な治療法は、手術、放射線治療、ホルモン療法の3つである。著者は、「生涯臨床医」という、自分の生き方を通すことを優先、迷いなく後遺症の可能性の少ないホルモン療法を選んでいる。
 ホルモン療法を開始して3カ月後、著者をホルモン療法の副作用「ホットフラッシュ」が襲った。前触れなく体がカッと熱くなり、顔が火照り、汗が噴き出す。心臓がドキドキ鳴って、胸がつまった感じがする症状だ。体がホルモンの少ない状態に慣れてくれば、起こらなくなるが1年以上に続くこともある。

 知識としては理解していたが、さらに、著者を愕然とさせたのは、「男性ホルモン」が減ることによって起こった変化である。いつもの様に銀座に行き、きれいな女性が隣にいてもまったくワクワクしないのだ。もちろん、筋力低下や性欲減退、勃起障害は起こっていたが・・・。しかし、著者にとって、男の色気を失うことが一番由々しきことだった。

 その日からすぐに、ホルモン療法剤のLH-RHアゴニストに代わるものを物色し始めた。分子整合栄養学やアンチエイジング医学を学び、たどり着いたのがアグリコン型「イソフラボン」である。本書で紹介されている「がんを消す食事」とは、このアグリコン型「イソフラボン」を中心にいくつかの食品を加えたものだ。

 前立腺がんは欧米に多くアジア人に少ない。その理由は、欧米人より日本人が10倍は食べる「大豆」にあると言われている。この大豆に含まれているのが「イソフラボン」である。大豆中のイソフラボンは糖と結合しており、これをイソフラボングリコシドと言うが、グリコシドのままでは吸収されないのだ。糖が離れてアグリコンに変化してはじめて腸に吸収される。ちょうどその頃、アグリコン型「イソフラボン」のサプリメントが新発売になった。著者はこのサプリメントを2004年5月から飲用し続けている。

 著者はこの日以来、外科医でありながら、健康食品・サプリメントを研究、現在では、アグリコン型「イソフラボン」の他に、ビタミンA、オメガ3脂肪酸、ビタミンDを食材、サプリメントを通じて取っている。
 本来、栄養素や機能性成分は食材で取るべきものだ。しかし、確実に体内に取り込みたい時や量を多く取り込みたい時は食材よりサプリメントの方が有利だと著者はいう。医師の意見なのでとても重みがある。

 現在では、著者は朝立ちも起こり、銀座のクラブに行っても、きれいな女性はきれいで、なまめかしい女性はなまめかしく感じられている。ぜひ、100歳まで長生きして頂き、さらに健康食品・サプリメントの有効利用法を伝授いただきたいと思う。

 この他に本書には、「がんを抑える」、「ストレスに負けない心をつくる」、「抗酸化力を高める」等様々な栄養療法が公開されている。ぜひ、参考にされたい。

*本書における「がんが消える」とは、完治するという意味ではなく、腫瘍マーカーが正常範囲内で、がんの姿が見えない状態を保っていることを示している。

<プロフィール>
三好 老師 (みよしろうし)
 ジャーナリスト、コラムニスト。専門は、社会人教育、学校教育問題。日中文化にも造詣が深く、在日中国人のキャリア事情に精通。日中の新聞、雑誌に執筆、講演、座談会などマルチに活動中。


※記事へのご意見はこちら

書評・レビュー一覧
書評・レビュー
2012年10月10日 07:00
書評・レビュー
2012年10月 9日 12:30
書評・レビュー
2012年7月 9日 14:31
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル