2024年03月29日( 金 )

目指せ創業100周年!武野会長に訊く、アダルブランドの強さ(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)アダル

フットワーク軽く動き続ける

adall 「創業100周年のその時も、現役でいたいと思っています。それぐらいに仕事が楽しくてしようがないのです」。こう笑顔で語るのは、業務用家具メーカーとして絶大な信頼を寄せられている(株)アダルの代表取締役会長を務める武野重美氏だ。自らも家具職人としてのキャリアを持つ武野会長は、同時に、柔軟な発想で新たなニーズを生み出すアイデアマンでもある。

 別注家具という顧客からの難しい要望に応えていかなければならない業界において、これまで手作業で行われていた製造過程に、最新鋭の設備投資をしてきたほか、ヨーロッパをはじめとする、海外からの直輸入も実施した。同社を窓口として、顧客は安心してオリジナル家具はもちろん、世界中の特色ある家具をそろえることができるのだ。こうした、顧客のニーズを総合的にフォローしていくための新たな選択肢の創造と提案こそ、同社の強みであると言える。競争が激化するなかで生き残っていくためには、常に多岐にわたる手段を持っておくことが必要なのだ。企業を取り巻く状況が変転していくなか、同社は先陣を切って『ある物』を取り入れた。それは3Dプリンターだ。

 「業界に先駆けて3Dプリンターを導入しましたが、お客さまからの評判も良く、今後も上手く活用していきたいと考えております」(武野会長)。驚かされるのは、この試みが、武野龍代表取締役社長を筆頭に、2015年からスタートしていたということだ。

 当時はまだ、3Dプリンターを用いて製造したものを「商品として売り出す」といったスタイルは定着していなかった。それを、東京ビッグサイトで開催された 「DESIGN TOKYO(世界に向けて『売れるデザイン』を発信する展示会)」 において、3Dスキャナーとプリンターを用いたデモンストレーションを披露したのだ。13年に創業60年を迎えた老舗家具メーカーが魅せた、最新テクノロジーを用いた家具製造の未来―家具とデザイン、そして時代の最先端を行くテクノロジーをテーマとした新たな取り組みは、同社がなぜ業界トップで在り続けているのかを物語っているのではないだろうか。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:武野 龍
所在地:福岡市博多区金の隈3-13-2
設 立:1968年4月
資本金:1億8,225万円
TEL:092-504-3932
URL:http://www.adal.co.jp

<プロフィール>
takeno_pr武野 重美
1939年、宮崎県生まれ。59年、福岡のイスヤ商会に就職後、先代の逝去によって代表取締役に就任。91年に(株)アダルへ社名変更し、業務用家具業界で知られるようになる。95年、中国に合弁会社を設立。世界を舞台にアダルブランドの発展に努めている。代表取締役会長を現任。

 
(後)

関連記事