2024年04月24日( 水 )

人口とともに増え続ける市債残高 久留米・楢原市政に疑問符(後)

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欠陥を見逃す建築確認 訴えた市民に徹底抗戦

楢原 利則 久留米市長

 楢原市政は、「久留米シティプラザ」を「大規模プロジェクト等の運営によるまちづくりの推進」として、16年度における重点テーマの1つに掲げた。その建設に178.5億円を投じた結果は、通学中の小学生をはじめ施設内通過者をカウントするなど、集客数を水増して成功を装うというデタラメな内容。当初から、市民の間で反対意見があった建設計画だが、オープン1年目にして大失策であることが明らかになりつつある。

 その一方で、ベッドタウンとして注力すべき住環境の整備では、市内にある欠陥マンションの所有者、住民から建築確認の責任を追及されるといった問題を抱えている。同マンションは、専門家から設計段階で耐震性に問題があったことが指摘されており、建築確認でそれを見逃していた久留米市(建築指導課)の責任は重大である。耐震性の不足から「倒壊のおそれもある」といわれており、最悪の場合、住民のみならず、近隣住民をも巻き込むおそれがあるという。市民の安全を守る立場にありながら、久留米市は原告のマンション住民らと徹底的に争う構えを崩していない。欠陥を見逃した建築確認に問題はないと開き直っていることから、市内にある他の建築物の耐震性にも疑問符がつく。「久留米シティプラザ」の問題と合わせると、楢原市政が真剣に「日本一住みやすいまち・久留米」の実現を目指しているのか、強い疑問を抱かずにはいられない。

(了)
【山下 康太】

 

(前)

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