2024年11月01日( 金 )

山本太郎が草津駅前でゲリラ街宣、中学生も消費税で質問

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 

 れいわ新選組の山本太郎代表が7日、滋賀県・JR草津駅前で事前告知なしの街頭記者会見を開いた。市民約50人が足を止め、消費税をめぐる男子中学生からの質問にも答えた。

 「ゲリラ街宣」は午後5時20分から2時間強開かれた。会場のペデストリアンデッキ上は、時折冷気が吹き抜け、身を切られるように寒い。「れいわ新選組代表の山本太郎が、駅前をお借りして皆さんのご質問にお答えしています」とマイクで告げる。午後6時半頃からは、常に50人ほどが足を止めて話を聞いた。

生活底上げの必要性を説く山本氏(2020.2.7筆者撮影)
生活底上げの必要性を説く山本氏(2020.2.7筆者撮影)
足を止める市民(2020.2.7筆者撮影)
足を止める市民(2020.2.7筆者撮影)

 山本氏はいつもの通り、厚労省の国民生活基礎調査の結果を示し、生活苦を感じる人が全世帯で57.7%、母子家庭では82.7%に達することを挙げ、20年以上続くデフレが背景にあると指摘。IMFの資料から、過去20年間の政府総支出の伸びが最低であることが、名目GDP伸び率の最低をもたらしていることを説明した。

 その解決策として、GDPの約6割を占める個人消費喚起のため消費税廃止を提言した。

 最初に、男性が「消費税は本当になくせるのか」と質問した。山本氏は「できない理由は何か。前に進めるのは誰か。皆さんじゃないか。この国の最高権力者であり、オーナ――。株主。それ以上、答えようがない」と鼓舞した。

 男性は「我々は具体的にどうすればいいのか。投票か」ととだす。これに対し、「国会議員にお任せだったら、政治はめちゃくちゃになる。消費税を廃止したいなら、この話を広げた方がいい。自分が1票入れればいいという、そんな楽な話じゃない」と、周りへの説得を奨励する。

経団連の提言一覧(2020.2.7筆者撮影)
経団連の提言一覧(2020.2.7筆者撮影)

 経団連が政治に求めることが次々と実現している実態を紹介。派遣法改正や外国人労働の解禁、消費税引き上げや憲法改正まで、政治家を巻き込んでいることを挙げ、市民の側も自分たちの考えを広げることを説いた。

熱心に話を聞く男子生徒(2020.2.7筆者撮影)
熱心に話を聞く男子生徒(2020.2.7筆者撮影)

 後半の1時間ほど、学生服を着た男子中学生3人も話を聞いていた。そのうちの1人が、質問した。「法人税を何で上げないのか。塾の先生に、法人税はまだ上げられるのに消費税が上がったことによって下げたと聞いた」と向ける。

 山本氏は、「どうしてそっち(法人)から取らないのかは、はっきりしている。法人税を下げて、その穴埋めのために消費税を使っているから」と断じ、2019年10月に消費税を10%に上げた直後の自民党税制調査会で、すぐに法人前減税など企業支援策を検討し始めたことを紹介。

 「利害関係者だから。今の自民党の一番の屋台骨、経団連に大サービスしなければならない。政治献金してくれるし、選挙のときは組織票くれるし、落選したら、ポストをつくってくれたり。企業側が議会に議員を送り込み、コントロールする。自分を議員にしてくれるのは誰かを考えれば、その人たちに足向けて寝れないという大人の事情です」

 そのうえで山本氏は、「私は逆のことをやろうと、れいわを旗揚げした。私が総理なら、多くの方々の生活を底上げしたい。一部の人間だけが得するのでは、世の中が壊れる」と述べ、森・加計問題や規制改革会議や国家戦略特区諮問会議を通じたオリックス・パソナへの利益誘導に言及。

 「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」

 憲法15条を示し、「全体の奉仕者を政治の世界へ送り込むしかない。50%が票を捨てているんだから、逆転はあり得る。緩くつながろう。ぜひ、若い人の力もお借りしながら」と呼び掛けた。

 質問した中学生は、「難しかったが、この話が将来役に立つなら、聞いて得だったと思う。3年後の投票権を考えると、参考になった」と話す。共感した部分はと問うと、「法人税の累進化」を挙げ、ほかの2人も「消費税は下げられること」と答えた。

 山本氏は1月下旬から中国・四国地方を皮切りに、「#れいわが始まる2020」と題する全国街宣を展開している。8日からは、昨年回れなかった滋賀県内での対話集会を予定する。

 事前告知なしの街頭活動は、昨年9月9日の東京・荻窪と今年1月30日の松山市内でも行っている。「ゲリラ街宣」の狙いを、「自分たちが思い上がらないように。実力がわかりますから」(1月31日、松山市内)と語っている。

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)、『山本太郎がほえる〜野良犬の闘いが始まった』(Amazonオンデマンド)。ブログ『高橋清隆の文書館』

▼関連リンク
安倍氏の地元で400人超が熱狂~山本太郎との対話集会

関連キーワード

関連記事