九州トップレベルの知の拠点、人『財』の育成・輩出を通じ飯塚市の活性化に寄与(前)
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(国)九州工業大学
大学院情報工学研究院長 大学院情報工学府長
情報工学部長 教授 博士(工学) 梶原 誠司 氏「社会と協働する教育研究のインタラクティブ化加速パッケージ」を大学改革事業のテーマとして掲げる(国)九州工業大学(以下、九工大)。教育研究のインタラクティブ化によって、地域社会との『対話』『交わり』『相互作用』の促進に注力するなか、2017年4月26日、飯塚市・嘉麻市・桂川町と九工大・(学)近畿大学の2市1町と各大学間で、包括連携協定が締結された。
情報系学部は人気上昇中
――九工大は九州を代表する理工系大学です。現在の状況についてお聞かせください。
梶原 近年、本学を志願される学生の入試における偏差値は上昇傾向にあります。社会的に「AI」や「IoT」といった言葉が浸透した影響もあり、学生たちにとってとくに情報系の学部に入る動機付けや卒業後の進路に道筋が付けやすくなったことも志願者の質の向上に関係しているのではないでしょうか。カテゴリーも細分化が進んでおり、たとえばAIと一口にいっても、AIそのものについての研究をするのか、AIを使った関連技術・周辺分野について研究を進めるのかでも学びの内容は変わってきます。IoTも同じです。
多様化するニーズに的確に応えていくために、本学では重点プロジェクトセンターを設置しています。これは、注目される研究分野やとくに優れた研究業績を上げている研究グループを重点プロジェクトセンターとして認定し、人材・研究資金などを重点的に配分するという取り組みです。これにより、専門知識の研鑽、新技術・サービスの開発や、研究環境の充実につなげていきたいと考えております。飯塚キャンパスの研究者を中心に構成されるセンターには、ネットワークデザイン研究センター、バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター、ディペンダブル集積システム研究センターなどがあり、情報工学に強みを持つ飯塚キャンパスの特色が出ているといえます。
――優秀な学生たちが集い、学び舎としても設備の拡充が図られるなか、九工大は飯塚市・嘉麻市・桂川町と近畿大学の2市1町と各大学間で、包括連携協定を締結されました。
梶原 本学はこれまでも飯塚市を中心に、各企業や地方公共団体、教育機関などから、教育・研究の実践の場を提供していただいてきました。
4月26日に締結された包括連携協定では、特定の業種・協力分野は設けず、地域全体の課題解決や魅力向上に関係各所が広く関わっていきます。本学では、学術的分野(教育・文化の振興)における飯塚市との連携事業の1つのテーマとして、『医工学連携』を掲げています。具体的には飯塚市、飯塚病院さま、飯塚研究開発機構さまと共同研究を行ってきました。個別の研究内容としましては、一例ですが医療用のナノロボットによる患者の体内撮影や、バイオメディカルデザインコースの学生と病院職員による人材交流などがあり、これらをさらに充実させていく予定です。普段異なる活動領域にある組織が、産学官連携のなかで1つの成果を上げることは決して容易ではありません。しかし、飯塚病院さまとの共同研究に関していえば、飯塚病院さまの手厚い協力体制の構築もあり、今後の取り組みに期待が持てる状況です。
(つづく)
【代 源太朗】<INFORMATION>
(国)九州工業大学
創 設:1909年4月
飯塚キャンパス:福岡県飯塚市川津680-4
TEL:0948-29-7500関連記事
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