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特別取材

オリックスとセゾンの行方 統合はあるか(下)
特別取材
2008年9月 7日 09:30

みずほFGは統合を是とするか

 しかし、この両社の経営統合は、新聞報道で触れられた以上に、クレディセゾンと提携関係にあるみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の存在が大きな障壁として立ちはばかるのではと思えてならない。

 クレディセゾンとみずほFGは、04年12月より「包括的業務提携基本契約」を締結し、クレディセゾンはみずほFG系列のカード会社・ユーシーカードと業務統合を行なっている。みずほ銀行のリテール分野での重要ツールである「みずほマイレージクラブカード《セゾン》」の発行も、クレディセゾンが行なっている。さらに昨年10月には、クレディセゾン、みずほ銀行のカードのみならず、他社のカードの入会審査、信用管理、事務処理なども請け負うことを目的としたプロセシング専業会社・キュービタスの設立も、クレディセゾンとみずほ銀行の出資により行なわれている。

 現在、メガバンク各グループは収益確保の柱のひとつとしてリテール分野の拡充を図っており、グループ内のクレジットカード、信販、消費者金融の各社の統合を行なっている。このなかでも、クレジットカードはリテール戦略の中核と位置づけられている。

 昨年末時点のみずほFGのクレディセゾン株保有比率は11.69%で、あくまでも提携の範囲内であり、クレディセゾン側もみずほFGの出資比率を抑えている。しかしクレディセゾンは、メガバンクらがしのぎを削るリテール分野の柱となるクレジットカード業務の担い手であり、みずほFGの同分野の中核企業である。また、みずほFG内には東京リース、興銀リース、芙蓉総合リースと3つのリース会社も存在する。

 こうした状況下、クレディセゾンが、独立系でニューヨーク株式市場にも上場し、外国法人などの株主の比率が63%に達するリース会社・オリックスと経営統合される。これをみずほFGが是とするのであろうか、大いに疑問である。オリックスとみずほFGのリース会社も含めたところでの一大業務提携というのであれば話は別であろうが、現状では、ここまで話が飛躍するのは現実的でないし、あくまでも想像の域を脱しない。

再々編劇の始まり?

 クレディセゾンの林野宏社長は、オリックスの宮内義彦会長と財界活動を通じて親密な関係にあるとされ、林野社長は「目標は(保険・証券など金融事業を多角展開する)オリックス」と公言しているとも言われている。これまで、銀行主導で進められてきたノンバンクの再編劇。グローバルスタンダードで独自路線を行くオリックス宮内流の手法で、これまでにないノンバンク主導による経営統合の実現はあるのか。

 また、これまでの業界再編の動きとは一線を画し、日の丸ブランドで唯一、独自の国際カード展開を図るカード業界の雄・JCBはどう動くのか。新たな再編劇が展開されるのか。景気後退による消費の低迷や、貸金業法、割賦販売法の改正など、厳しい状況の続くノンバンク業界の今後の動向が注目されるところである。

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