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特別取材

何世代にも続いていける農業へ(4)
特別取材
2010年1月12日 13:00

目先にとらわれず広く・長い視野のすすめ

ウィンドファーム  中村隆市社長

長期的な視点がフェアトレードの原点

 ―途上国には仲買人がおり、それがマフィアだったりするわけですが、危険な目にあったこともありますか。

 中村 エクアドルでは、私が買い支えて、鉱山開発をくい止めているわけですから、いつ命を狙われてもおかしくないわけです。一緒にやっている生産者の中心メンバーは間一髪で助かったという人もいますし、家族が暴力を受けたこともあるようです。その対策として私は、エクアドルで国際会議を開くなどして、できるだけ情報を公開するようにしています。そうすると、マスコミも報道しますから鉱山側も暴力的なことがしづらくなります。

 ―生活が厳しいから目先のものに飛びついてしまう途上国の方が多いようですが、それについてはどのように思われますか。

 中村 環境を守りたいと思っている人たちは、長い目で物事を考えますが、そういう人は少ないのが現実です。ほとんどの途上国の人たちは、目先のお金で動かざるをえない状況に追い込まれていますから、その状況を変える必要があります。
そのためには、生産者に「誠実にいいものをつくったら、安定した生活ができる価格で買い続けてくれる」という信頼を与えることです。その信頼が、いいコーヒーをつくり、いい生産者を増やすことにつながります。まず、私が日本でお金を借りて、事前にお金を支払うわけです。ブラジルやエクアドルでは1~2年分のコーヒー代金を先に払いました。そうすれば、生産者は安心して手間ひまかけて、安全でおいしいコーヒーを作ることが出来ます。

 以前、「有機栽培でもおいしいコーヒーはあるんですね」と言われたことがありました。本当は有機栽培の方がおいしいのが普通なんですが、流通に関わる私たちを信頼してくれた人たちが手間ひまをかけて作っていくと、土がよくなって、よくなった土からよい作物が育っていくわけです。
植林ツアー集合写真・ジャカランダ農場
 こうして有機やフェアトレードの市場ができてくると、商社や大手コーヒー会社も取り扱いを始めます。売れるから(売れ筋商品として)扱い始めた会社が増えてきて、こんな出来事が起こりました。

 弊社が提携している農家に「今の売値より高く買います」と言ってきた業者がいました。ある農家がその業者にコーヒーを売って、弊社に売るものがなくなりました。それから2、3年してから、再びその農家から連絡があったので、「どうしました?」と聞くと、「はじめは買ってくれたけど、その後、買ってくれない」というのです。どうも、業者がより有利に買えるところを見つけたらしいのです。人と付き合うのではなく、モノと付き合う人たちは、より儲かる相手を優先します。

 私は、生産者が誠実に栽培したのなら、天候の影響で出来がよくない年でも買います。しかし、「弊社では、美味しいコーヒーだけを厳選して取り扱っています」という企業は、出来の悪い年は買いません。天候によってコーヒーの品質が左右される農家の立場に立てば、それだと安心して丹精込めた生産ができないのです。私のやり方だと、年によっては、味が落ちる年もあります。けれども、長い目でみれば、必ずいいコーヒーができるようになります。

 私は、フェアトレード的な商いは、昔の日本にもあったと思っています。今は、目の前の利益ばかりを追いかけていて、長いスパンで物事を見なくなってきています。そして、リストラですぐ職員を切るようになっています。その職員がどれだけ売上に貢献したか、といったことだけを見て、人間をトータルに見なくなってきています。日本企業の多くは、人を育てる姿勢をなくしていっている気がします。

(つづく)


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