<不況下の転職活動>
最初に接触した紹介会社は、地元の会社であった。DKホールディングス時代にお付き合いがあり、時折連絡を取るようになっていた。
ところが、この人は、
「正直今は管理系の求人は皆無ですよ。取引先に頼むなど、縁故でいく以外方法はないですよ」ということを言った。実際、登録はしたが求人の紹介は一切なかった。
その後、大手であるP社やQ社に登録した。これらの会社は全国規模で営業しており、さすがにデータ量は多かった。これらの会社のキャリアコンサルタントと面談すると、
「上場会社の管理をご経験だし、上場準備もできられるので何かあると思います」という反応であった。しかし、これらの会社も、東京での上場会社のポストはいくらか紹介してくれたが、地元の案件はほとんど持っていなかった。
一方、上場時代に何かとお世話になった証券会社から、会社を紹介しますよ、といいう話をいくつかいただいた。
最初は、リーマンショック後の冷え込みのなかでも、一定の求人需要はあるものだと感じた。
これらの結果、6月までに面接に行き着いたのは、半導体ベンチャーの上場準備担当、福岡に本社があり自然石をアクセサリーに加工して全国の店舗で販売する会社の管理担当、同じく福岡本社で健康食品を電話で売る会社、福岡本社で全国展開するラーメン屋さん、那珂川に本社がある賃貸管理会社などであった。
半導体ベンチャーは、証券会社の引受担当者からの紹介で面接した。先方は、6月中にDKホールディングスのことをすべて終わらせて入社してほしいということであった。一方、私は、同年11月までかけて、当社のDKホールディングスの民事再生手続を終えることを最優先と考えていたため、それは聞けないということで時期的に合わなかった。
自然石のアクセサリーの会社は、当初面接していただいた管理担当の取締役が、私が大学を卒業して入社した同じ大手GMSの出身であり面接で気が合い、前向きにトップに上申するといっていただいたが、その後選考が長期化し、やがて他社の内定を得たためお断りした。
健康食品の会社も証券会社の紹介であった。ここも管理担当の取締役と面談し、好印象をいただいたようだがここも上場準備で直ちに着任してほしいとのことだったのでお断りせざるを得なかった。
ラーメン屋さんは、これも管理担当取締役と面談したが、上場準備要員は今すぐのニーズではないということで話が進まなかった。
那珂川の賃貸管理会社は、私が、DKホールディングスでサブリース切替の戦略を実行した経験を買っていただいたのか2次選考まで進んだが、他社の内定を得たためお断りした。
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・REBIRTH 民事再生600日間の苦闘(1)~はじまり
<プロフィール>
石川 健一 (いしかわ けんいち)
東京出身、1967年生まれ。有名私大経済学卒。大卒後、大手スーパーに入社し、福岡の関連法人にてレジャー関連企業の立ち上げに携わる。その後、上場不動産会社に転職し、経営企画室長から管理担当常務まで務めるがリーマンショックの余波を受け民事再生に直面。倒産処理を終えた今は、前オーナー経営者が新たに設立した不動産会社で再チャレンジに取り組みつつ、原稿執筆活動を行なう。職業上の得意分野は経営計画、組織マネジメント、広報・IR、事業立ち上げ。執筆面での関心分野は、企業再生、組織マネジメント、流通・サービス業、航空・鉄道、近代戦史。
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