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地域づくりにマーケティング発想を

"嘉麻市"という名前を聞いたことがありますか?(1)
地域づくりにマーケティング発想を
2013年2月27日 15:46

 ご存知ない方が多いかもしれません。実は、平成の大合併と呼ばれる一連の市町村合併で、2006年3月末に誕生した福岡県のほぼ中央に位置する筑豊地区の市です。旧山田市、稲築町、碓井町、嘉穂町の1市3町が合併し、新たな嘉麻(かま)市が生まれました。
 嘉麻市という名称の由来は、「日本書紀」に筑紫鎌屯倉(かまのみやけ)がこの地域に置かれたことにあります。由緒ある地名なのですが、いかんせん合併後6年以上経過してもその知名度は低く、「かまってどこ?」と言われることが多いのです。

 他の筑豊地域の例にもれず、嘉麻市も石炭六法の失効は、地域の産業や社会経済に大きな影響をおよぼしており、新たな産業の振興や雇用の安定確保を図り、地域が自立することが求められています。
 さらに、これもご多分にもれず、少子高齢化が進行し深刻な人口減(1970年、5万8,420人から2010年、4万2,607人へと27.1%の減少)に見舞われています。
 そこで、嘉麻市では11年度に「嘉麻市活性化戦略プロジェクト構想(~嘉麻市の優れた資源のセールスプラン~)」を策定しています。これは、地域の各種資源を使って、地域の活性化を図ろうとするもので、以下の4つの戦略を具体的に掲げています。

・活性化戦略1
源流のまち"嘉麻"の認知度アップ
・活性化戦略2
源流のまち"嘉麻"産品のブランド化
・活性化戦略3
源流のまち"嘉麻"の観光活性化
・活性化戦略4
源流のまち"嘉麻"の地域イメージアップ
 
 「源流のまち」とは遠賀川の源流が当市にあることによりますが、源流のまちを名乗れるのは、嘉麻市に限られます。これを活用したまちづくり、地域づくりをこれから行なっていこうとするものです。

 嘉麻市には知名度が低いものの、他に誇るべき資源がたくさんあります。その豊かな資源を構成する要素は、「嘉麻」という由緒ある地名そのもの、豊かな自然、これをもたらす遠賀川、さらにその遠賀川の源流、源流を生み出す馬見山、屏山、古処山、ここを舞台にしたdocomoのCM「森の木琴」(数々の国際的なCM賞を受賞)、自然環境が生み出す安全・安心な農畜産物(嘉穂米、リンゴ、嘉穂牛など)、日本酒(寒北斗など)、菓子などの加工食品です。
 これらの嘉麻市固有の(絶対的優位性のある)地域資源を訴求し、地域活性化戦略の立案を行なおうとするのが「嘉麻市活性化戦略プロジェクト構想」です。その活性化戦略立案上の基本コンセプトは、「遠賀川源流のまち"嘉麻"」とされ、源流が生み出す豊かな自然を活用した戦略提案を行ない、地域のブランド化を図っていこうとするものです。

 その地域ブランド化戦略のいくつかを紹介しましょう。
 企業のマーケティングでも、行政のマーケティングでも同じですが、消費者(利用者)の認知度を高め、次に関心度を高め、そこから購買行動につなげることが肝要です。余談ですが、広告宣伝に対する消費者の心理プロセスを「AIDMAの法則」と言います。Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)というプロセスをとり、購入に至るというものです。ちなみにネット時代の現在ではAISAS理論といって、Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(評価をネット上で共有)というプロセスをたどるとされています。

kama.jpg さて、嘉麻市の知名度アップ戦略です。構想ではいくつかの提案がされていますが、ここでは、すでに実行に移されているものを紹介します。それは、映画評論家のおすぎ氏を観光大使に任命したことです。
 おすぎ氏が、嘉麻市で開催される各種イベントで釜飯が提供されていることを知り、KBCラジオで「嘉麻市は何であたしを呼んでくれないのよ」と発言したことがきっかけとなり、11年秋に嘉麻市の観光大使に就任した次第です。理由は書かなくてもおわかりでしょう。これをきっかけに、嘉麻市ではKBCラジオなどで活発な嘉麻市キャンペーン展開を行ない、知名度のアップに努めています。

 また、昨年10月に「おすぎ&らぶ子の嘉麻の釜めしの素」を開発し、販売を始めました。地元の関係者と飯塚市の一番食品とのコラボにより完成させたもので、地元ブランド牛の嘉穂牛、ヒラタケ、ゴボウ、ギンナンなどを使用、隠し味に特産のリンゴの果汁を使う凝りようです。たくさん売れて嘉麻市の知名度アップにつながることが期待されます。

(つづく)

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(株)地域マーケティング研究所
100609_yoshida.jpg代表取締役:吉田 潔
所在地:福岡市東区みどりが丘3-2-7
TEL:050-1004-2007
URL:http://www.mrkt.jp/


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