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コダマの核心

企業・人、再生シリーズ(21)~強靭な国づくりよりも先に強靭な人づくりを
コダマの核心
2013年11月20日 11:52

<強靭な国づくりの頓挫、人がいない>
 【アベノミクスの強靭な国づくり】は皮肉なことに、建設現場の人材難で立ち往生して途方に暮れている。この建設業に従事する人たちに、まずは「持続的に世間並みの生活ができることが可能だ」と確信を与えることが必要だ。その為には戦略的な予算執行が求められる。景気対策だけその都度予算の膨張と削減の繰り返しをしていては、働くものは困惑してしまう。そうなれば建設従事者は業界から逃避してしまう。

k_img.jpg 建設現場は老人ばかりだ。5年もすればこの老人たちも引退してしまう。代わりをロボットが担えるわけがない。東京オリンピック前に東京以外の建設現場はストップしてしまうという非常事態が発生する恐れもある。若手の人材育成は緊急の課題だ。しかしまずは外国労働者の規制を緩和することを最優先すべきである。彼らに建設技術を短期間にマスターさせる制度の充実を、実行すべきだ。建設現場で活躍できる【強靭な人材】の大量輩出がなされなければ、根本的な解決にはならない。

<雇用の場を創出しないと>
 公共事業・建設事業は時代とともに変遷している。例えば最近では再生エネルギー関連事業で公共事業と建設事業との一体化が目立つ。長崎県では環境省が予算をつけて風力発電所の実験所建設が行なっている。再生エネルギー活用という観点から見ても結構なことだ。九電工もメガソーラー工事部門に注力するほどに、どの企業も再生エネルギー工事受注に重点を置いている。素晴らしいことだ。世の中も一歩、前進したという証である。

 ただ再生エネルギー事業はメガソーラーでも風力発電でも地域の採用・雇用にはあまり貢献しない。そうなるとバイオマス、特に森林活用の再生エネルギーがクローズアップされる。
 日本全体を眺めれば豊かな森林の存在に気づく。ところがこの資産である森林の管理が廃れている。【強靭な国づくり】の原点は国土保全である。その要諦は森林の管理だ。管理とは伐採・植林・育成の循環を保つことである。
 この【強靭な国づくり】と、【強靭な人づくり】を両立させることが可能な政策が森林資源を活用するバイオマスで、各地区でこのエネルギー基地が建設されている。しかし問題も抱えている。どこもが事業持続・安定に不安感を抱いているのが、間伐材の供給確保である。《間伐材の伐採・植林・育成の循環》が保証されれば悩みは一挙に解決する。そのためには、この循環作業を遂行する人材を育成する必要がある。遂行部隊の各地区の森林組合のメンバーにも老齢化が襲ってきているのだから。

 20兆円以上もの金を使ってオイル・ガスの輸入に頼っている。膨大な輸入超過の原因になっている。この輸入金額の5%にあたる1兆円を資金投入すれば、間伐材を活用するバイオマス発電がかならず伸びる。山林再生従業者たちも、年収400万円が見込めれば大量の人たちが押しかけてくる。そして新たな建設業も派生する。
 【強靭な国づくり】と【強靭な人づくり】とが並行していかないと日本国を救えない。新分野の雇用創出が必要なのだ。

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