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マンガは日本の創造的コンテンツ産業の源泉!~第2回「トキワ荘フォーラム」が開催
文化・スポーツ
2013年11月26日 13:36

 11月23日、第2回トキワ荘フォーラム「マンガからアニメ、クールジャパンへ」(主催:NPO法人日本マンガ・アニメトキワ荘フォーラム、後援:経済産業省、一般社団法人日本動画協会)が、池袋の豊島区民センターで開催、60名を超える関係者が全国から参集した。
 日本マンガの聖地「トキワ荘」を冠とする同フォーラムの開催は6月に続き今年2回目となる。前回はトキワ荘の住人であった著名マンガ家の先生方に焦点を合わせていたのに対し、今回はマンガからアニメへのビジネス展開も視野に入れて構成されていた。

<日本のコンテンツ産業の市場規模は12兆円>
 前半は、日本のクールジャパン戦略の本丸である経済産業省から佐合達矢課長(商務情報政策局文化情報関連産業課)が登壇した。佐合氏は、「マンガ・アニメ産業の今後の発展の方向性」と題し、今、国が進めているクールジャパン戦略の概要を語った。

 日本国内の映画・アニメ・TV番組・ゲーム・書籍等のコンテンツ産業の市場規模は約12兆円で、米国に次いで世界第2位(2011年)の規模である。この規模は、百貨店の約6兆円、コンビニの約9兆円と比べても大きいことがわかる。しかし、少子・高齢化や不況の影響で、マイナス成長が続いている。

 特に、マンガ・アニメ産業の売上高減少傾向は顕著で、マンガは3,766億円(2012年)で11年連続減少、アニメは1,500億円(2011年)で、こちらも2005年をピークに減少し続けている。アニメ産業、マンガ産業、キャラクタービジネスは相互に関連性が強く、その最上流にあるマンガは創造的なコンテンツ産業の源泉になっている。

 今後大きなマーケットの拡大が期待されるアジア主要都市における日・韓・欧米コンテンツ普及度において、アニメ・マンガは、台北、香港、バンコク、上海を中心に断トツで、韓、欧米の追随を許していない。現在の日本のコンテンツの海外市場(海外ユーザー消費額)はアニメ・マンガ・ゲームで成り立っており約8,955億円になっている。

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<25日にクールジャパン推進機構が営業開始>
 しかし、問題は日本のコンテンツは、海外から高く評価されているが、海外輸出率は5%(米国は17.8%)で、成長するアジア諸国等の需要を充分に取り込めていない点である。輸出のうち家庭用ゲームの売上が97%以上を占めるというのが現状である。

 そこで、「日本の魅力を産業に転換し、経済再生・地域活性化を図る」クールジャパン戦略の登場である。その概要を佐合課長は(1)逸失利益の回復(海賊版対策)(2)コンテンツ海外流通支援(3)コ・フェスタ(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)開催(4)コ・フェスタ留学生アンバサダーの組織化(5)クールジャパン・マッチンググランプリの開催(6)コンテンツポータルサイトを通じた日本コンテンツの発信Japacon(The Japan Contents Showcase)TV等(7)株式会社クールジャパン推進機構の設立(8)ロケ誘致における地域活性化の8つに分けて説明をした。

 (株)クールジャパン推進機構(正式名:株式会社海外需要開拓支援推進機構)は、クールジャパン戦略の一環として、産業化に向けたリスクマネーを供給、助言等の支援を行う官民ファンドである。11月25日に営業を開始、平成25年度の予算は500億円となっている。

<「オバQ」に登場する小池さんのモデルが登壇>
 後半には、鈴木伸一氏(杉並アニメーションミュージアム館長、トキワ荘出身、「オバQ」の小池さんのモデル)が登壇、和田敏克氏(東京造形大学特任教授、日本アニメーション協会理事、日本アニメーション学会事務局長)と対談を行なった。

 鈴木氏は最盛期100人を超えるスタッフを抱えていた伝説のアニメ企画・製作会社「スタジオゼロ」の創設メンバーであり、歴代社長の1人である。マンガからアニメへ橋渡しをした日本アニメ業界の立役者で、生き字引でもある。
 対談は、鈴木氏所有のトキワ荘時代、スタジオゼロ時代の数多くの著名マンガ家の若かりし頃の写真を見ながら、和田氏が鈴木氏に今日に至るアニメ業界の流れを振り返る質問をする形で進行された。とても貴重な写真が多く会場からは時おり、驚きの声が聞かれた。

<12月15日に「トキワ荘 お休み処」オープン>
 当日は、同フォーラムに先駆け、午前中に「活性化交流会」(第2回)が開催、鳥取県文化観光局「まんが王国とっとり」や富山県氷見市「藤子Ⓐワールド推進会議」などを含め7つの団体が発表した。今後も「2020年東京五輪」に向けて、トキワ荘フォーラムを中心に日本中のマンガ・アニメ関係自治体が連携を強くしていくことが約束された。

 12月15日(日)には、日本マンガの聖地である豊島区トキワ荘通りに「お休み処」(豊島区南長崎2-3-2)がいよいよオープンする。お休み処では、休憩だけでなく、マンガが読めて、トキワ荘グッズや関連書籍も販売、展示コーナー等ではワークショップも開かれる。

【金木 亮憲】

【注1】
コ・フェスタ( JAPAN国際コンテンツフェスティバル )

日本が誇るゲーム、アニメ、マンガ、キャラクター、放送、音楽、映画といったコンテンツ産業およびファッション、デザイン等コンテンツと親和性の高い産業に関わる各種イベントが連携して開催する世界最大規模の統合的コンテンツフェスティバル。2011年は約230万人、2012年は約180万人を動員している。

【注2】
Japacon(The Japan Contents Showcase)

日本のコンテンツ(テレビ番組、アニメ、キャラクター等)の情報を国内外に発信し、海外のプロモーション及び新たなビジネスチャンスを生み出すことを目的に2006年に開設されたコンテンツサイト。


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