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近畿確認検査センターを処分~完了検査で違反建築を見逃し

2010年4月16日 11:15

 7日、国土交通省近畿地方整備局は、神戸市内の戸建て住宅の完了検査をめぐり法令違反があったとして、指定確認検査機関「近畿確認検査センター」(兵庫県西宮市)に対し、実地検査が不十分なまま検査済み証を交付していたとして、建築基準法に基づく監督命令を行なった。
 この問題は、2004年4月の検査済み証の交付で、実際に建設された住宅の設計が、確認申請図面と異なっていたもの。この住宅は、斜面地にあり、地下2階が鉄筋コンクリート造で、地上2階は木造の混構造住宅。計画変更申請を行なわずに、敷地南側の石積みを除去するなどの変更を加えた結果、住宅が接する地盤面が建築確認の地盤面より低くなり、建築物の高さが増加して高さ規制に抵触。さらには、RC造の部分にも構造耐力上、不適切な部分があった。
 ところが、近畿確認検査センターの確認検査員は、確認図書通りに施工されていることの目視確認を怠った。03年12月26日に行なわれた現地調査では、工事が完了しておらず、石積みがあった部分は仮設資材やブルーシートで覆われ、確認できなかったとし、写真などの提出を指示していた。しかし、その後写真等の提出がなく、同センターが督促し、工事担当者から完了した旨の書類や写真の提出を受けて、現地確認を行なわずに、04年4月6日に検査済み証を交付した。
 近畿地方整備局は、同センターに対して1カ月以内の業務改善計画書の提出と、担当確認検査員を10年4月6日から、3カ月の業務禁止処分とした。
 特定行政庁である神戸市は、この住宅に対して06年3月に建築基準法違反で是正措置命令を出しており、これを受けて近畿地方整備局は、09年10月に設計・施工を行なったセキスイハイム近畿(株)(本社:大阪市淀川区宮原、代表:原田 義人氏)に対して建設業法に基づく指示処分を下している。なお、同住宅は建築主と施工者が民事訴訟で係争中となっている。

【石崎】

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