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九州バイオクラスター、販路開拓支援セミナーに100人 2010年のトレンドを大胆予測

2010年2月 3日 11:25

九州経済産業局地域経済部長 中島英史氏
 九州地域バイオクラスター推進協議会(熊本県上益城郡、会長:小野友道)は2日、福岡市内のホテルで同協議会会員を対象とした販路開拓支援無料セミナーを開催した。食品・健康食品販売メーカー、原料メーカー、受託メーカーなどから100人近い関係者が駆けつけた。
 同協議会は産学官のネットワークを活かした「機能性食品・健康食品」の研究開発から販路開拓に取り組んでおり、九州経済産業局の主導で行なわれているバイオクラスター事業の一環として「フード・健康アイランド九州」の構築を目指している。
 講演に先立ち、九州地域バイオクラスター推進協議会マーケティング部会長で坂元醸造(株)専務取締役長野正信氏による主催者挨拶、九州経済産業局地域経済部長の中島英史氏による来賓挨拶が行なわれた。

◇今年のヒット素材はカプサイシン?

 講演者には、生姜ブームの火付け役で日経BP社『日経ヘルス』編集長の藤井省吾氏、伸び続ける通販業界の発展に力を尽くす(社)日本通信販売協会理事・主幹研究員の柿尾正之氏、食品表示のエキスパート(株)ラベルバンク代表取締役社長の川合裕之氏の3者が迎えられた。日経ヘルス編集長の藤井省吾氏
 日経ヘルス編集長の藤井省吾氏は『今、大きく変化する健康トレンドと、消費者のニーズ~日経ヘルス誌12年の編集テーマから、読み解く』と題して講演した。90分の講演時間を前半と後半に分け、前半は「健康トレンドと消費者のニーズ」とのテーマで、20代・30代女性のライフスタイルから健康問題を分析してトレンドを先取りしてきた同誌の歴史的変遷を紹介。後半は「私たちメディアの役割は? 私たちが重視するエビデンスとは?」として、現代女性の抱える健康問題から今後のトレンド予測を大胆に行なった。さらに、健全なブームをもたらすのに不可欠なエビデンスについて、姉妹誌の『日経メディカル』時代に積み上げてきた経験に基づきながら、自らの見解を述べた。
 同氏は現代の20代~30代の女性を「痩せている割に下腹がポッコリと出ている体型」から、「やせ凸(ぽこ)世代」とネーミング。このような体型をもたらす大きな原因のひとつに生活習慣、とくにパソコンの普及が大きく影響していることを明らかにした。
 「かつて肥満はカロリーの問題だった。肥満を解消するためには、カロリーを抑えれば済むことだった」とする一方で、「やせ凸は、パソコンによるストレスがもたらした肩こりや姿勢のゆがみがもたらしたもの」と分析。ゆがみを矯正するためのストレッチ体操を実演してみせた。
 また、現代女性はゆがみ(やせ凸)を治すために、カロリーの摂取を控えるなど誤った食事制限を行なっているとし、結果としてそのことが血液の巡りを妨げ、さらに自律神経の不調をもたらすなどの悪循環を生み出していると指摘。若い女性が恒常的に冷え症に悩まされている根本原因もここにあると解き明かした。
 これらのことから、「これからは食事の質を考えることが必要」で、「自律神経を活性化させ、代謝を上げることが体温の上昇をもたらす」と説明。今年のキーワードは「冷え対応」、ヒット素材は「交感神経に火をつけるもの」とし、「ショウガ」、「カプサイシン」、「柑橘系」と大胆予測した。

◇通販の成長を阻む表示規制
日本通信販売協会 柿尾正之氏
 日本通信販売協会の柿尾正之氏は、同協会が推計した2008年度の売上高を4兆1,400億円とし、顧客の利用状況が約10年前から24%と急伸している実情を紹介。急成長の一因として、通販のほうが百貨店やドラッグストアなどのリアル店舗に比べて「豊富な情報量で、商品を比較・選択しやすい」との利便性を挙げた。ちなみに経済産業省の市場調査では、インターネットによるマーケットは6兆円強とされており、同協会の実態調査によれば、そのうち4人に1人が健康食品を購入しているとされる。
 一方、07年以降増加し続けている景品表示法違反による排除命令(昨年9月以降、公取委から消費者庁に移管してからは排除措置という)の増加をグラフで示し、行政による表示規制の強化が市場の成長を阻んでいる一端も紹介した。
 また、通販事業への「参入障壁は低いが成功障壁は高い」とし、「(新規参入企業の)9割が失敗するなかで、成功するのは1割に過ぎない」と厳しい競争にさらされている通販事業の現状を報告した。
 通販事業の成功の秘訣を述べたなかで、「通信販売はネットを含めた媒体が店舗」であるとし、他業種のように「不況だからといって広告費を削るのは売場面積を削ったり、店を閉めたりするのに等しい」と、不況になったら宣伝費を削るという既成概念からの脱却を呼びかけるとともに、売場としてのメディアの必要性を強調した。
 今後の予測としては、「健康」「アンチエイジング」がキーワードとし、ネット化および人口の高齢化がますます通販事業を後押しするだろうと話した。

◇ヒット商品の条件は作り手の「使命感」

 ラベルバンクの川合裕之氏は冒頭、自らがIgE抗体の保有者であることを明かし、アレルギー体質の者にとっていかに食品表示が大切であるかを来場者に訴えた。ラベルバンク 川合裕之氏また、機能性食品を取り巻く表示制度の概要について現場で起きた問題に即して解説、とりわけ薬事法にかかわる主な注意点として、「病名疾病を出さない」、「(体機能の)変化を言わない」、「(目・皮膚・肌など)身体の一部を出さない」、「(服用・毎食後など)薬感を出さない」など具体的なポイントを示した。
 そのほか、薬事法規制が「消費者から適切な治療機会を奪うことを防ぐために存在している」と強調したうえで、「薬や治療で確立している効能を表現しない」、「製薬メーカーなどの立場に立ってモノをつくる」――など商品開発の心構えを述べた。
 「コラーゲン鍋や野菜ジュースが伸びているとおり、トレンドはサプリメントから健康志向食品に移行している」とし、日経ヘルスの藤井編集長が言う「消費者は合成物から天然志向」へ変わってきているとする見解と一致した。
 川合氏は最後に、「1年で消える商品」と「粘る商品」の違いについて、過去の経験を踏まえて言及した。最優先するのは作り手の「魂(使命感・覚悟)」、次に「心(商品への愛情)」であるとし、市場で廃れる商品に最も多いタイプが産学官連携によって開発された品質重視の商品だとジョークを交え、会場の笑いを誘った。
熱心に耳を傾ける聴講者
 確かに、サントリーなどほんの一部の企業を除き、通信販売で大手企業が成功した事例はほとんどないに等しい。たいていの担当者が、社内考査など諸々のチェックでへとへとになり、事業は頭打ちとなる。それに比べて、九州エリアの通販会社はトップダウンで果断な事業展開を図るために成長も早いようだ。
 川合氏が再三口にした「使命感」、「覚悟」、「理念」という、一見古めかしい言葉が、あるいは通販成功の早道なのかもしれない。

【田代】


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