ごみ山の内部で無炎燃焼

ごみ山の消火活動に向かう消防隊
福岡県嘉麻市の産業廃棄物処理業者(有)エコテックの産廃中間処理施設で発生した火災は、発生から5日目の6月2日現在、鎮火のめどが立っていない。施設内に野積みにされた約2万㎥のごみ山の内部で「燻焼(くんしょう)」(無炎燃焼)が続き、臭気をともなう煙が立ち上っている。空気中の酸素に触れ、炎が発生する箇所も散見される状況だ。
現場では、放水とともに建設重機によってごみ山を崩す作業が行われていた。福岡県の出動要請に基づき、県内各自治体の消防本部、消防団が応援に駆けつけ、交代制で休まず消火活動を続けている。「仕事よりも優先して消火活動にあたっている」(地元消防団員)。だが、途方もない量のごみ山を前に消防関係者の表情は一様に険しい。田植えの時期に重なったことで水源の確保も懸念されている。

炎が出ていた箇所
ごみを野積みしてきた業者(エコテック)にも問題があるが、その問題を知っておきながら、ごみの搬入を停止させるなどして、歯止めをかけなかった行政(福岡県)の責任は重い。消防関係者の話によると、同様の過去の事例とごみ山の量を考慮すると、「鎮火まで半年はかかるおそれもある」という。鎮火の後に待っているのは、莫大な量の燃え殻と灰の処理である。この問題が、いつ終息するかは、誰にも読めない状況だ。
【山下 康太】
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