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桶狭間古戦場公園『近世の曙』に何を想う?~名古屋市長選レポート(2)
自立する地域社会
2011年1月26日 10:24

『近世の曙』前で演説する河村氏 24日、名古屋市長選告示の翌日、前市長・河村たかし候補(62)は、緑区野並駅前で朝の辻立ちを行なった後、同区の桶狭間古戦場公園を訪れた。市長選街頭演説では、織田信長にたとえられることもある河村氏。一見すると、信長の勝利にあやかっての訪問と思えるが―。

 同公園には戦国武将の今川義元、織田信長の銅像と並んで立つ『近世の曙』という石碑がある。「信長が中世から近世への幕を開けた」として、桶狭間がその出発点とすることに由来。同石碑は2,000万円の寄付によって建てられた。河村氏は演説のなかで、戦国時代、武士は庶民で信長が"庶民革命"を起こしたとし、その代表的な政策『楽市楽座』に自身の減税政策になぞらえた。
 公園の周りは閑静な住宅地である。「観光名所にしたいけど、まだ、お金を落としてくれる商業施設がないからねえ」と付近の住民は語る。実際、訪れた平日の午前中は、ほとんど人の往来が見られなかった。選挙活動の一環で訪れる場所としてはふさわしくないように思える。もっとも、河村氏が演説を始めると、十数名の住民が集まってきたが...。

 この公園がある桶狭間地区には、河村氏が市民税10%減税、議員報酬半減などの議会改革に並ぶ『主権在民3部作』のひとつとして、8地区でモデル実施した『地域委員会』がある。同委員会は選挙によって選ばれた無報酬の委員が、地区の人口に応じて割り振られた予算の使い道を話し合うというもの。「政治家はボランティアでなきゃあかん」という河村氏の政治姿勢、そして地域のことは地域で決め、市議は市全体のことを考えるという市政の根幹を成す施策だ。

 河村氏は『地域委員会の全市拡大』を公約に掲げた。他の公約である市民税減税、議会改革については異論・反論が百出の他候補であるが、この施策についてあまり触れていない。
しかし、市民の政治関心を高めるとともに、それぞれの地盤(市議のなわばり)に拠って行なわれている市議選のあり方そのものを変える中長期的療法が同公約と言える。なぜなら、地盤は「地域の口利き」という役割によって形成されているからだ。"目立って反対できない"という意味では、現職議員が最も嫌がっている公約のようにさえ感じる。

 桶狭間地域委員会は話し合いを重ね、"歴史を活かしたまちづくり"として、1千万円の予算のなかから毎月1回の歴史講演会の実施、案内標識の設置・改修などを企画した。河村氏や名古屋市民だけでなく、日本国民にとっても新しい民主主義の『曙』になる可能性を秘めている。

桶狭間古戦場公園『近世の曙』

桶狭間古戦場跡の説明

【山下 康太】


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