NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

自立する地域社会

竹原信一氏特別対談・地域再生を阻むモノ(1)~首長か、住民か
自立する地域社会
2011年7月28日 10:00


 閉塞した行政組織のなかで戦い続けてきた前阿久根市長・竹原信一氏。竹原氏と同郷で、国内外を問わず地域再生への志に燃える建築家・有馬裕之氏。そして、組織と戦った元公務員の福岡市議・寺島浩幸氏。彼らは、この国の実態について、どう見ているのか―。

竹原信一氏 特別対談・地域再生を阻むモノ

<特別対談>
前阿久根市長・竹原信一氏、建築家・有馬裕之氏、福岡市議・寺島浩幸氏

竹原 国家の官僚システムとは、「使うもの」ではなく「抑えるもの」だと思います。国家システムが憲法を守らない。それを守らせるのが政治家でなければならないはずなのに、逆に喰われている。憲法は国家に対する命令ですよ。それをないがしろにされています。憲法と法律の立場の違いは明確なのに、法律の上にくっついているような感じで認識されていて憲法が完全に無視されています。

有馬 なぜ、僕が『地域』を考えはじめ、中国ではなくモンゴルに行っているのか。『仏教至上主義』という意味ではないのですが、『地域』にあるものを愛する力、たとえば山にしてもそこに生まれたものを愛するようなものが残っていると思うからです。それは日本にもまだ残っていると思います。しかし、行政は、中央で生産をするということだけでオペレーションをしようとする。そこに無理が生じているのではないでしょうか。今、考えを整理してみる段階が来ているのではないかと思います。
 たとえば阿久根もあまり他の都市と変わらない状況なっていると思います。それでも、一本道を入れば昔ながらの村落があったりして、われわれが誇るべき"もの"が残されています。

竹原 そういうことを地域の自治体の職員たちや首長が気づいてやるときに、まず邪魔になるのが国です。竹原がいると阿久根には金がおりなくなる」と宣伝して回るわけです。

有馬 今は、そこにいるおばあちゃんの沢庵漬けをしようという人が必要なんですよ。江戸時代、ひとつの藩が自立しなさいというプログラムがあったと思います。江戸はいちおう緩く統括していたわけですね。

竹原 今の職員たちは、住民の敵、国家の兵隊です。日本中、どこも銭をもらおうという乞食根性がしっかり植え付けられていて、とくに役所というのは「国家公務員準拠だから国と違ったことをしたら俺たちの給料は下がる」。だから議員たちにも「議会で決めることではなくて国が決めたことなので通さないと違法ですよ」というものの言い方をするわけですよ。だましですよ。

有馬 モンゴルのエルベグドルジ大統領は、私に「美意識で国をつくろう」と私に言いました。その方法論をきいたときに「それはモンゴルだからできるな、日本ではできない」と。可能性があるのはモンゴルのほうかもしれない、その後、革命が起きてひっくり返ってしまうかもしれませんが、なんか面白いことをやるかもしれないと思いましたね。だから、やるべきだと思うんですよ、首長が。

竹原 「べき」といっても、させないようになっているんです。「べき」をすると私のようになってしまいます。佐賀県玄海町の岸本町長は「やり手だ」という評価ですよ。あの人がいると税金がおりてくるから「まあ、いいや」と票が集まるんです。そういう町がほとんどです。阿久根でも、住民たちが原発をつくってくれと署名を集めてくるんですから。川内につくってくれれば、労働者にこっちに泊まりに来てもらいたいとか、そんな程度ですよ。まるで失業対策事業です。

(つづく)
【文・構成:行政取材班】

| (2) ≫

<プロフィール>
竹原 信一 (たけはら しんいち)
竹原 信一 氏前阿久根市長・1959年、鹿児島県生まれ。元航空自衛官(88年退官)。阿久根市議を経て08年、阿久根市長選で初当選。ブログでの情報発信や市職員の給与明細全面公開など数々の"掟破り"の手法で市政改革に取り組んだ。11年、市長リコールにともなう出直し選挙において864票差で敗れ失職。同年、鹿児島県議選に出馬するも落選。

有馬 裕之 (ありま ひろゆき)
有馬 裕之 氏建築家・デザインプロデューサー・1956年、鹿児島県生まれ。京都工芸繊維大学卒業後、80年に(株)竹中工務店に入社。90年、「有馬裕之+Urban Fourth」設立。さまざまなコンペに入賞し、国内外で受賞歴多数。さまざまな地域活性の町づくり委員も務める。

寺島 浩幸 (てらしま ひろゆき)
寺島 浩幸 氏みんなの党福岡市議会第7支部長、同福岡市議団副代表・幹事長・1961年、福岡県生まれ。福岡大学法学部法律学科卒業後、87年に福岡市役所に入庁。総務企画局総務部情報公開室、市長室、議会事務局調査法制課などに務め、2010年退職。11年に西区から市議選に立候補し初当選。

*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


自立する地域社会一覧
脱原発・新エネルギー
2011年7月25日 07:00
脱原発・新エネルギー
2011年7月22日 07:00
自立する地域社会
2011年5月 6日 12:17
自立する地域社会
2011年4月 9日 07:00
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル