(株)アライアンス　代表取締役社長　中垣　昌康

＜協調を重視し堅実な業績推移を維持＞

　あらゆるパートナーと協調（alliance）しながら事業を進めるという意味を社名に込めた「株式会社アライアンス」。創業時は他社が手がけたマンションの販売代行を主要事業としていたが、現在、自社ブランドのマンションや「光・風・エコ」をコンセプトにした戸建て木造住宅の販売も手がける総合住宅メーカーへ成長した。有力マンションメーカーとの取引が盛んであることで、設計事務所や不動産会社、工事業者など各分野のプロとの人的交流が多く、プロジェクトごとにその道のプロが一堂に会し事業に携わる。
　「経営面でも同様にやっています。毎月開く経営会議では、企業法務の専門家や銀行の支店長にご参加いただき、幅広い意見を伺います。もちろんその場では経営計画も開示しますし、月次の財務内容や事業用地の仕入れ状況、マンションの販売状況といったところまで正確かつ詳細に報告します」（中垣社長）。同社では、さまざまな場面で『協調』を重視。「何ごとも計画通りに進むわけではない。早めに専門家からのアドバイスがあれば修正も容易」というのが、プロとのコラボによるメリットだという。
　その成果もあり、同社では現在、販売代行マンションおよび自社販売マンションのどちらも『完成在庫はゼロ』という実績を保っている。またスムーズな事業用地の仕入れ、銀行からのスピーディな融資なども実現でき、堅実な業績推移を見せているのである。
　さらにマンション販売を『サービス事業』と捉えていることも同社の特長だ。「お客さまの視点で考え、業務のあり方を見直す（Check）。マンション業界の枠に捉われずサービスの視点であったらいいなと思うものを実現することに挑戦（Challenge）する。業界で独自の個性と存在感を持つ会社へ変化（Change）し続けることで、お客さまの納得と満足（Customer　Satisfaction）を得るように努める。これらの『４Ｃ』を事業の念頭に置いています」（中垣社長）。
　子育て住宅や環境志向のマンションは、この『４Ｃ』を具現化したもの。さらに、マンション１棟の販売ごとに養護学校や福祉施設に寄付を行なう「ブルーエンジェル活動」の推進など地域に根ざした企業として歩んでいる。

＜九州をひとつの国として考える＞

　中垣社長は、行政がどんな街づくりをしたいのか、方針が不明確なことを懸念する反面、九州における福岡のリーダーシップには大いに期待している。そして、福岡単独ではなく、九州全体で発展を目指す必要があると話す。
　「自然も、文化も、産業も魅力的なものが九州には揃っていますし、まだまだ発展するポテンシャルがあると考えます。したがって私は道州制に大賛成です。導入されて際は、空港などのインフラも九州全体から見て必要なものを優先して造る。法人税など税金や財政なども、九州全体が発展するように独自のシステムをもつ。九州をひとつの国として考えて、さまざまな方策を実行していくことが求められると思います」（中垣社長）。
　中垣社長は、各県が単独で事業を進めるのではなく、九州が一丸となって何ごとにも取り組まなければいけないと提言する。

＜プロフィール＞
中垣　昌康　（なかがき　まさやす）
1966年、福岡県朝倉市生まれ。大学卒業後、「新生住宅（株）」入社。01年、「アセット不動産販売㈱」代表取締役就任。同年、「（有）アライアンス設立」。02年、「（株）アライアンス」に改組。

＜会社概要＞
(株)アライアンス
代表者：中垣　昌康
所在地：福岡市中央区白金1-16-4
設　立：2001年２月９日
資本金：3,000万円
ＴＥＬ：092-531-3177
ＵＲＬ：http://www.alliance-e.co.jp/

※本稿は以下の書籍に掲載されています。

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