空間をプロデュースし、そのブランディングをする。（株）シェルフアソシエイツ代表にして九州大学知的財産本部客員教授の坂口敬司氏は、一級建築士および一級建築施工管理技士の資格を持つが、その業務内容は設計や建築に留まらない。これまで得たノウハウを駆使し、マーケティングやプロモーションなど、多角的な視点から価値ある空間を築いている。アジアの交流都市として、今後、国内外からもますます注目が集まる福岡で活躍する。そんな、今、注目の"仕掛け人"に話を聞いた。

　――プロデュースするに当たって、見た目だけの美しさだけではない、機能的な価値も求めるということですね。そして、それは農業がテーマでも当てはまると。

　坂口敬司氏（以下、坂口）　特に地方は高齢化していますし、後継者問題もあります。現地に行くと、高齢者のかたが、いわゆる"買い物難民"になってしまっている現状もあります。もしくは、一人暮らしで外に出にくい状況にあるとか。そういう状況を打破するために、絆を深めて、お互いを埋め合うことができたら地域活性化に繋がるはずです。

　――残りの割合を占める業務はどのようなものがありますか。

　坂口　その他の業務を30％とすると、20%は、九大の客員教授としての活動になります。週に１、２回は企業と大学を繋ぐビジネスをやっています。産学連携というわけです。取り扱う事業のジャンルは限定せずに、マッチングなどのお手伝いをさせていただいています。

　最近感じるのは、産学連携の在り方も昔と変わってきているなということです。昔は、どちらかというと、点と点の繋がりが多かったのですが、現在は、もっと社会的に開かれた面と面の連携が増えてきていると感じます。複数の企業と大学がチームになったり。この活動も続けていきたいと思います。

　――それにしても大学卒業から現在まで、実に充実されていて、良い道を通って来られたと思います。

　坂口　そんなことはないですよ（笑）2011年３月に九州新幹線が全線開通しました。それで、福岡県主催の九州新幹線開業記念イベントがあったのですが、それに携わっていました。開業前のプレイベントは順調に推移したのですが、メインイベントが行なわれる12日の前日に、東日本大震災があったものですから、すべて中止になってしまったのです。よく「万が一の場合」なんて言葉を使いますが、まさに「万が一」のケースで中止になり、とても印象深いです。パレードなども計画していたのですが、すべて幻に終わってしまいました。そういう困難もときにはあります。

　――あれから１年以上が経過しましたが、最近の福岡に対して感じていることなどはありますか。

　坂口　ある中国企業の顧問をさせていただいているのですが、あちらに行くといかに日本に元気が無いかわかります。逆に中国は活気に満ち溢れていますね。また、電通時代には、玄海のエネルギーパークの設計にも携わったのですが、現在では先ほど申し上げた通りメガソーラーの仕事があるなど、時代の流れを感じるところです。

　――最後に今後についてお聞かせ下さい。

　坂口　プロジェクトの大小とかそういうことは二の次にして、自分がワクワクできるかどうか、その気持ちを大切にして仕事に取り組みたいと考えています。また、社会貢献になるのかどうかも重んじていきたい。大学で勉強していたころの自分の気持ちに対して、正直な自分でいられたらと思います。

　――福岡をはじめ九州がより先進的な地域になるためには、坂口社長の活躍が必要だと思います。本日はありがとうございました。

≪　（中）　｜　

＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）シェルフアソシエイツ
代　表：坂口敬司
所在地：福岡市中央区赤坂1-14-22 センチュリー赤坂門ビル4F
設　立：2010年５月
資本金：950万円
ＴＥＬ：092-714-7001
ＦＡＸ：092-714-7002

※記事へのご意見はこちら