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マンガ外交~日中交流のあるべき姿を探る(3)
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2013年8月12日 07:00

 参議院選は自民党の圧勝で幕を閉じた。投票率は戦後で3番目に低い52.1%。若者は相変わらず、内向きで、携帯を見つめ続け、外界への関心を失ったままだ。しかも、選挙権のある国民の約半分が、意思表示をしていない。
 一方、政治家はもちろん、巷の中高年以上はナショナリズムや民族感情を昂ぶらせ、「改憲」論議。日中関係で言えば「戦争」という言葉さえ囁かれるようになった。そして、最近では、麻生副総理の「ナチス発言」まで飛び出すようになってきている。
しかし、よく考えてほしい。安倍首相を筆頭に現閣僚には、ほとんど戦争体験がないのだ。そして、「戦争」が始まった場合も、若者たちを戦場へ送り出す立場となる人たちだ。

<ここに、"民際外交"の成功例がある!>
0815_02.jpg このような時だからこそ、"民際外交"の成功例としての「日本漫画事務局八月十五日の会」の存在が輝いてくる。同会の活動主旨は「人類の幸福に関わる普遍的なテーマを漫画など絵画的手法で表現することに主眼を置き、平和を希求するメッセージを思想や政治的見地に寄り関わらず、たえず発信し続けることにある」となっている。
 事業内容は「漫画を通して、平和を希求し後世に伝える広報事業」や「漫画文化を通じて、日中友好に貢献する事業」とある。実は、この"漫画を通して"というのが重要なキーワードなのだ。事務局の李珍錫氏は「戦争に関する写真は余りにも"リアル"で抵抗感がある方も多いと思います。しかし、漫画とか絵本となると、我々の心に、"ソフト"に訴えてくれるのです」と語っている。

 国内では、昨年までの実績として、「私の八月十五日」展として、全国25カ所で約14万人、「イマジン」展として全国5カ所で約2万人、「少年達の記憶」展として全国49カ所で約9万人を動員している。
 海外では、2009年の「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」(南京市)、10年「中国人民抗日戦争記念館」(北京市)、11年「九・一八歴史博物館」(瀋陽市)、12年「偽満皇宮博物院」(長春市)で4回開催されている、特に、2009年の南京市における開催は、オランダ、アメリカ等の海外の新聞にも掲載され、11年にミラノで開催の「私の八月十五日展」に繋がっている。今年2013年は9月末にハルピン市で開催、現在準備中である。

<「引揚げ漫画」原画展が新宿で開催中!>
 この他に同会では、08年に中国の四川大地震の際には、「四川大地震チャリティオリジナル漫画オークション」を開催、09年には「日中友好交流記念漫画・絵画ネットオークション」を開催。12年には宮城県図書館での特別展「3・11漫画家の祈りと激励展―東日本大震災文庫展Ⅱ―」に協力、13年には中国南京市で開かれた、愛知県主催の「日中漫画展」に作品提供という形で協力している。
 
 日中交流も活発で、08年には、日中友好条約締結30周年を記念して、日本と中国の漫画家による「日中漫画交流展」及びオークションを開催している。
 現在、7月17日から9月23日までは、東京・新宿住友ビル48Fの「平和祈念展示資料館」の企画展として「引揚げ漫画」原画展が開催されている。興味ある読者は足を運ばれたい。

 奉天(瀋陽)から故赤塚不二夫氏、ちばてつや氏、バロン吉元氏、古谷三敏氏、森田拳次氏、大連から山内ジョージ氏、故山口太一氏、上海から高井研一郎氏、ハルピンから故上田トシコ氏、長春から北見けんいち氏などが引揚げてきている。帰国後、分かったことであるが、奉天では、ちばてつや氏と故赤塚不二夫氏の住居は500mも離れていなかったと言う。

0815_03.jpg

(了)
【金木 亮憲】

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