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マンガ外交~日中交流のあるべき姿を探る(2)
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2013年8月 9日 07:00

<「日本漫画事務局八月十五日の会」とは!>
 読者は「日本漫画事務局八月十五日の会」というのをご存じであろうか。漫画家の森田拳次氏を代表理事とし、幼年期を中国で過ごした古谷三敏氏、故上田トシコ氏、山内ジョージ氏、高井研一郎氏、ちばてつや氏、故山口太一氏、バロン吉元氏、横山孝雄氏、北見けんいち氏、林静一氏、故手塚治虫氏、故赤塚不二夫氏等が中心となって、2003年(前身の「中国引揚げ漫画家の会」時代を含む)に結成された総勢100名を超える漫画家集団の組織である。

 漫画家集団組織として結成されているが、現在会員は漫画家に留まらず、主旨に賛同する作詞家の永六輔氏、エッセイストの海老名香葉子氏、イラストレーターの黒田征太郎氏、タレント・司会者の黒柳徹子氏、俳優の高倉健氏、落語家の林家木久蔵氏、聖路加国際病院理事長の日野原重明氏といった具合に、メンバーが各界に拡がっている。

<事務局を支える20代、30代の若き精鋭!>
  大江戸線「蔵前」にある事務局を訪ねた。同事務局は、アニメ・漫画を中心としたコンテンツビジネスを手掛けている総合エンターテイメント商社であるイマ・グループ(イマ・グループ会長兼CEOの池田愼一郎氏は、「日本漫画事務局八月十五日の会」の理事)社内にある。

 「八月十五日の会」という名前は、日本人にとって、一種、独特な響きを持って伝わってくる。事務局を支えるメンバーに会い、驚くと同時に、感心してしまった。それは事務局を支える3名が、事務局長的役割を担う李珍錫氏を筆頭に、西村壽美氏、銭佳俊氏とも、会員の孫世代とも言える20代、30代の若者だったことだ。

 この種の事務局運営は、どんなに主旨が立派でも、70代、80代の戦争経験者から若い世代への橋渡しで失敗するケースが多い。しかし、この「八月十五日の会」事務局は、最初から橋渡ししたい年代で構成されているのでその心配がないのである。

<「先生方がお元気な内に」という焦りも!>
 李氏(延吉市出身)「留学で来日、事務局に入る前は戦争について考える機会はありませんでした。しかし、漫画家の先生方と出会い、体験談を聞くうちに、どんな理由があったとしても、"戦争はよくない"という認識を持つようになりました」。

 西村氏(帰国子女)「高校まで香港、シンガポールで過ごしました。日本の歴史も熟知しないまま、"日本漫画事務局八月十五日の会"に出会いました。実は今、焦りを感じています。自分は偶々、先生方に出会えてよかったけれども、先生方がお元気のうちに、1人でも多くの自分と同じ若者に伝えなければいけないことがあると思うからです」。

 銭氏(上海市出身)「結婚の為に来日しました。大学時代からアニメに興味を持ち、日本語の勉強をし、日本の留学生とも交流するようになりました。上海は国際都市で、今はインターネットも発達しています。しかし、中国には、情報不足で古い考えを持っている若者がまだたくさんおります。日中の相互理解の架け橋になりたいと思っています」。

 異色とも思える20代、30代の若者が「中国人2人と帰国子女1人という若い事務局だからこそできることがたくさんある」と自覚しているのだ。実に頼もしい

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(つづく)
【金木 亮憲】

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