中洲に居酒屋「博多中洲 遊食亭」を構えて、6年目を迎える(有)ターボマニア。もつ鍋に馬刺、呼子のイカが名物で、料理はすべて手作りにこだわる。「若者たちに伝えたい。自分たちが提供した食べ物でお客さんが笑顔になる。その瞬間を大切にしてほしい」と飲食業の魅力を語る同社代表・木戸泰輔氏が、7月にカンボジアの首都プノンペンに飲食店「cross town cafe」をオープンさせた。海外進出に至った経緯やこれからの展望を同氏に聞いた。
<冗談交じりに「海外進出」>
去年の夏のことだ。社員のミーティングの中で、会社の将来的な方針を話し合った。その時、2名の社員が「アジアに進出してはどうか」と冗談交じりに述べた。木戸氏は気にも留めずに受け流していたが、実は幼少の頃、2年間タイに住んでいた経験があった。「海外に行くならタイかな」その程度の感覚だった。
同じ頃、ウェブサイトの広告にふと目が留まった。「タイに出店する方募集!」。2週間限定でタイのショッピングセンターに店を出す経営者を募集していた。経済産業省の企画で、補助もある。視察費用も出してくれる。「これはチャンス」タイにおける海外展開の扉が開いた瞬間だった。
当初からの計画ではなかったので、慌てて申請を行ない、審査を待った。運よく審査を通り、もつ鍋屋の出店が決まる。出店先はタイのエカマイにある郊外型ショッピングモールだった。
<タイでもつ鍋・・・しかし>
出店してみての感想は「こりゃ駄目だ」。他店と比べ人気はイマイチ。タイは牛肉を食べる文化があまりなく、豚や鳥が圧倒的に人気が高いからだという。最近、若い人たちを中心に牛肉を食べるようになってきたというが、全体としてはまだまだ。この体験で自信を失ったかというとさにあらず。同氏は、「逆にどこでもやれそうだ」と自信を持ったという。文化的な嗜好、顧客のニーズを分析し、適切な商品選びを行なえば、「できる」という手ごたえがあった。
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