【提案】東亜大学学園廃校のお奨め(8)
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地方私立大学は学生確保という困難な壁にぶち当たっている。定員割れの状態化、志願者の減少。台所は火の車だ。下関市の東亜大学も学生確保が難しい状態が続いている。私立大学の活動の源泉は主に学生からの授業料や入学金である。つまり、学生が確保できないということは死活問題に直結することになるのだ。
どの大学でも学生確保に躍起になっているが、東亜大学の場合、他大学とは異なる困難がある。過去の負の遺産とも言うべき、投資の失敗である。
1977年、下関駅前で専門大店「サンロード」が開業した。ところが事業は軌道に乗ることなく開業から11年経った88年に閉鎖されることとなった。閉鎖後、跡地活用の方向性が見いだせないまま時は流れ、ついに名乗りを上げたのが東亜大学だったのである。96年、東亜大学がサテライトキャンパスを駅前に開設するためにサンロードの跡地を購入したのだ。購入金額は58億円と言われている。
「東亜大学は駅前で温泉掘ろうとしていましたよ。長いことボーリングしていましたが、温泉は出ずじまいだったようです。サテライトキャンパスになる予定だったということですが、結局は結婚式場になりましたよね」
下関駅前で長年、店を営んできた商店主はこのように語った。温泉で何をしようとしていたのかは、まったく分らないが、温泉を掘っていたことは間違いない。ところが思うように温泉は出ない。資金的にも行き詰まってしまい、計画はとん挫。結婚式場へ土地を売却することになった。2003年のことだ。
購入金額58億円、総事業費140億円の東亜大学による大プロジェクトは、不動産の売却金額5億5,000万円で幕を閉じたのである。
(つづく)
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