2024年04月20日( 土 )

「絶対品質」を合言葉に継手創造企業を目指す(前)

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(株)アクティス

高い技術力をもとに施工会社からメーカーへ

 1900年頃、国内で初めて鉄筋コンクリートによる建築工事が行われたという。当時は、すべて鉄筋の部材同士の端を、一定の長さで重ね合わせて継ぐ「重ね継手」で施工されていた。現代においても、コンクリート製の建築物には鉄筋が欠かせない。そして、その鉄筋をつないで強固にしていくためにも、圧接継手の技術は欠かせない。圧接継手の歴史は、現代の建築物と共に歩み、進化している。たとえば「重ね継手」から始まった継手は、アセチレンガスによる「ガス圧接継手」が開発されたことで、より太径鉄筋の継手が可能となり、大型構造物の施工も容易にできるようになった。今では天然ガスによる「エコウェル工法」も生み出されている。その他、「溶接継手」「機械式継手」が開発され、多種多様な現場条件に適した鉄筋継手を使い分けることにより、工事の効率化などに大きく貢献するようになった。

新技術の3CW工法<

新技術の3CW工法

 鉄筋圧接継手工事を手がけることで名を馳せる(株)アクティスは、1971年に三協ガス圧接の九州支店として営業を開始したのが始まり。その後、現会長である橋本好正氏が(株)九州三協を設立。鉄筋のガス圧接工事からエンクローズ溶接工事、鉄道のレールの継手工事へ拡大し、全国の軌道工事やビル等の建築工事に向け、鉄の結合技術の技術者集団を形成していった。現代表の河村貴夫社長は、2代目として事業を継承。同社が積み重ねてきた信頼をさらなる信用に変えることを信条とし、事業の拡大を図ってきた。

 継手を手がける会社は、仕事を請け負うなかで、自社が持つオンリーワンの技術に特化し、10年、20年とノウハウを蓄積していくことが多い。たしかに技術を特化することによって誰にも真似できない付加価値は積み重ねられるもの、企業として今以上に発展していこうと考えたとき、その技術だけではあまりにも心もとない。技術は日進月歩で進化しており、最先端であった技術でも、時代の流れと共に一気に時代遅れとなる可能性もある。継手の歴史を紐解いてみてもわかるように、建築物の進化や時代環境に合わせて、鉄筋継手も日夜進化しているのだ。そうしたなか河村社長は、同社の技術をオンリーワンとして絞るのではなく、「絶対品質を実現できる技術」と掲げた理念をもとに、技術の幅の広さを持つ会社とした。顧客が求めている技術やサービスを増やすことで、販路の拡大を行ったのだ。しかも、幅広い分野の技術を持つ施工工事会社だけに留まらず、今までの概念を覆すメーカーとして、事業戦略を練っていった。工事会社からメーカーとしての地位を確立するには、気が遠くなるほどの試行錯誤があった。とくに絶対品質を謳っているだけに、妥協は許されない。河村社長を先頭に、社員一丸となった製品づくりが始まった。そして高強度鉄筋専用継手「3CW工法」の開発に見事成功した。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:河村 貴夫
所在地:福岡県大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-501-5963
URL:http://www.aqtis.biz

<プロフィール>
aq_pr河村 貴夫
1961年5月生まれ。福岡大学卒業後、(株)アクティスに入社。2001年、同社代表取締役社長に就任。趣味は音楽にゴルフ。

 
(後)

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