2024年05月19日( 日 )

時代の変化に対応する実践的人材の育成へ(前)~学校法人 福岡工業大学

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 少子化の進行によって「大学全入時代」という言葉が生まれたのが9年前。現在では、全国の私立大学のうち約45%が定員割れという。そのようななか、10年連続で入学志願者が増え続けている※1唯一の私立大学が福岡工業大学だ。同学では、「For all the students」という経営理念に基づき、学生ホールや図書館のリニューアル、今秋オープン予定の新棟の建設など、さらなる学内環境の充実に努めている。

入学志願者数が10年間で約2倍に

福岡工業大学<

福岡工業大学

 学校法人福岡工業大学は、「For all the students(すべての学生生徒のために)」を経営理念に掲げ、「情報・環境・モノづくり領域で教育研究力を発揮し、広く社会に貢献する」を経営目標とする。同学では、1998年からマスタープラン(経営計画)と、それに基づく毎年約500件のアクションプログラム(行動計画:改革・改善計画)を実施してきた。マスタープランは第1~3次(1998~2006年)が「改革期」、第4~5次(07~12年)が「成長期」に位置付けられている。

 その取り組みの成果の1つが、入学志願者数の増加である。2006年の入学志願者数は3,313名だが2016年度は6,939名。つまり、10年間で約2倍に増えているのである。多くの私立大学が学生の確保に苦心し、定員数の削減を行っている学校も決して少なくはないなかで、この実績は、まるで別次元の話である。多くの志願者(その保護者)にとって魅力的に映るのは、同学のキャリア教育・就活支援プログラムの実績。週刊誌(サンデー毎日)が発表した2015年度の国公私立大学実就職率※2ランキング理工系の部で、福岡工業大学の工学部は実就職率97.3%で九州第1位(全国第14位)、情報工学部は同93.9%で九州第7位(全国第62位)にランクインした。

9月20日オープンする新棟(E棟)<

9月20日オープンする新棟(E棟)

 すでに多くの学生が大学に魅力を感じていると言っても過言ではないが、同学は時代のニーズに対応するべく、さらなる進化を遂げようとしている。第6次(13~15年)マスタープランからは「変革期」。今年度の第7次では、「学園の質向上」と「財政基盤の安定」の両立、「全国トップクラスの教育拠点」へと飛躍することを目標に掲げ、キャンパス全域の再構築が進んでいる。

(つづく)
【山下 康太】

 

※1増え始め初年度の志願者数が1,000名以上の大学のうち
※2実就職率=内定者数÷(卒業者数-大学院進学者数)

 
(後)

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