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2016年12月21日 09:13

中国経済新聞に学ぶ~中国の対米直接投資は倍増

money_china-min 中国の対米直接投資が初めて米国の対中直接投資を超える。
 2015年の中国企業の対米直接投資は前年比28.6%増の153億ドル(米民間調査会社ローディアム・グループ調べ)に上り、過去最高を記録した。M&Aが約9割を占め、不動産、金融、エネルギー分野への投資額が大きかった。16年1~10月、中国の対米投資は173.9%増と成長が著しかった。製造業向けの投資額だけは、163.8%増の262億3,000万ドルだった。

 非営利組織(NPO)の米中関係全国委員会(NCUSCR)と米国海外投資コンサルタント会社のロディウムグループが上海で発表した報告によると、15年の中国の対米直接投資が150億ドル(約1兆6,500億円)を超え、初めて米国の対中投資を上回り、双方向の投資が中米関係において、重要な位置を占めるようになっていることが明らかになった。
 1999年から2015年の25年間の中米直接投資にスポットを当てた同報告によると、同期間、米国の対中国直接投資は累計2,280億ドル(約25兆800億円)に達した一方、中国の対中直接投資は640億ドル(約7兆400億円)だった。米国の対中投資は中国の対米直接投資の3.65倍であるものの、近年はその動向が逆転している。
 報告によると、米国の対中投資は08年に210億ドル(約2兆3,100億円)とピークに達したのを最後に減少し始め、年間平均130億ドル(約1兆4,300億円)にまで落ち込んでいる。それに対して、中国の対米直接投資は11~15年の間、毎年平均30%のペースで増加し、08年の10億ドル(約1,100億円)未満から15年には150億ドルに激増した。2016年にはさらに増加し、250~300億ドル(約2兆7,500~3兆3,000億円)に達すると見込まれている。

 同報告は、中国の経済成長の速度や経済構造の変化の速度が他の主なエコノミーをはるかに上回っており、それが中国の対米直接投資が初めて米国の対中国投資を上回る結果を引き出したと分析している。中国の対米直接投資は、企業のM&Aが中心で「グリーンフィールド投資」ではない。また、投資者は国有企業から私営企業へと移り変わっている。
 同報告の作者の1人であるロディウムグループの経営学者ティロ・ヘイマン氏は、「中米両国の投資関係は、多くの人が考えているより緊密で、この種の互恵投資は貿易による安定した収益を大きく上回る利益をもたらしている。そのような関係は婚姻関係のようなもので、双方が継続的に交流し、永続的な約束をしなければならない」との見方を示す。
 同報告は、「中米の双方向の直接投資はまだまだ飽和に至ることはなく、成長の余地はかなり大きい。とくに中国の企業の対海外投資は始まったばかり。中国国内での経済の構造転換の展開を背景に、中国企業は今後数十年、世界中で数千億ドルを投じて、ビジネススタイルのモデルチェンジを行い、全体的な超越を実現する可能性がある。同時に、中国の米国系企業も増資の準備を整えており、さらに多くの地域や中国の消費者との連携を通じて、中国の医療関係や研究開発、現代サービスなど急成長している分野への参入を試みるだろう」と予測している。同報告によると、現在、米国企業が中国で雇用している従業員の数は160万人を超えている。また、一方の中国企業も米国において10万以上の雇用機会を創出している。中米の双方向投資がもたらす益は、両国の90%の州や省をカバーしている。

 米中関係全国委員会のスティーブ・オーリンズ委員長は、「外国からの投資は、米国の新政権にとって、雇用創出のエンジン」との見方を示す。米国はさらに積極的に政策を打ち出して、中国を含む海外からの投資を呼び込み、米国の人々に一層多くの雇用機会を創出して、米国経済の発展を牽引しなければならない。
 中国企業の対米投資の特徴は、(1)積極的にM&Aを活用する、(2)ソブリンウエルス・ファンド(SWF)や国有企業による投資が大きい、(3)投資作の業種は、投資件数では電子・IT分野、投資額では化石燃料・化学が最大である。事例からみると、(1)技術の獲得、(2)米国市場へのアクセス、(3)中国企業のグローバル化の推進、などを狙う投資が目立つ。近年の増加は、リーマンショック後の米国経済の低迷、企業の業績悪化など買収しやすい状況となり、豊富な外貨を活用しM&Aを中心にした投資を活発化させていることにある。
 ▲中国企業による米国企業を買収する契約の中には、米国の国家安全保障に影響が及ぶおそれがあるかどうかの審査対象となる取引が含まれる。外国投資委員会(CFIUS)による審査期間中に、買収を断念する例も少なくない。
 ▲中国企業の対米投資の増加は1980年代における日本の対米投資の急増を連想させる。かつての日本の経験をふまえ、米中間の通商摩擦の激化を避けつつM&Aを中心に今後も拡大するものと推測される。
 報告によると、米国の対中投資は08年に210億ドル(約2兆3,100億円)とピークに達したのを最後に減少し始め、年間平均130億ドル(約1兆4,300億円)にまで落ち込んでいる。それに対して、中国の対米直接投資は11~15年の間、毎年平均30%のペースで増加し、08年の10億ドル(約1,100億円)未満から15年には150億ドルに激増した。16年にはさらに増加し、250~300億ドル(約2兆7,500~3兆3,000億円)に達すると見込まれている。
 また、中国は米国債の最大の保有者でもあり、米経済は中国経済との関連が深い。米国財務省が11月16日に発表したデータによると、中国は9月に米国債281億ドルを売却したが、それでも引き続き米国にとって1番目の債権国だという。9月末現在、中国の米国債保有残高は1兆1,570億ドルに上った。中国は4カ月連続で米国債を売却した。
 同月、2番目の債権国の日本も76億ドルを売却し、残高は1兆1,364億ドルになった。

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