2024年04月26日( 金 )

マンション販売、駐車場事業が牽引するも、その他の事業が不振(中)

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トラストホールディングス(株)

売上高の74%を占める、駐車場および不動産販売

 2016年6月期は売上高140億2,895万円、営業利益2億9,308万円を計上した。

 セグメント別では、主力の駐車場事業では不採算物件の閉鎖等の結果、わずかに減収となったものの採算性は大幅に向上。前期比17.6%増の営業利益5億3,572万円を計上した。

 不動産事業のうちマンション、戸建住宅等の販売等部門では、新築マンション3棟「トラストネクサス長府侍町(山口県下関市、36戸)」、「トラスト三原ネクサージュ(広島県三原市、60戸)」、「トラストネクサス宇部黒石(山口県宇部市、62戸)」が竣工、158戸を引き渡し、売上高37億3,793万円、営業利益9,311万円を計上した。マンション販売において、自社では営業スタッフを抱えておらず、基本的には外注(販売代理業者)を活用している。17年9月期は、総数60戸の「トラストネクサス新椋野II」(山口県下関市)が完成、引き渡し予定となっている。

注目集めた駐車場小口化、16年6月期は赤字に

 不動産特定共同事業法に基づく駐車場小口化商品「トラストパートナーズ」の販売部門では、第5号商品(15年5月組成)は、札幌・福岡・北九州・鹿児島の4物件をパッケージし、1口100万円で5,370口を募集。予定利回りは4.3%。17年1月中旬時点では4,000口以上を集めている。強化する分野として同商品を挙げており、「用地の仕入を強化していく」(同社)というが、同期は販売遅れにともなう売上計上期のずれ込みおよび諸費用計上により3億円近くの赤字を計上した結果、不動産等事業では約2億円の赤字となった。

ウォーター事業で不適切会計処理が判明

 水素水の販売を行うウォーター事業は売上高22億836万円(前期比85.5%増)、営業利益1億318万円(黒字転換)を計上していた。しかし、16年10月に実施されたウォーター事業の月例会議で、CPO(コストパーオーダー、1件注文を得るためにかかった費用)が7月以降、通常月より大幅に悪化していることが判明。同社によれば、「6月に計上すべき広告宣伝費の請求を7月以降へ繰り延べるよう取引先(調査報告書における甲社)に依頼した。6月に請求すべき広告宣伝費を同担当者の要請により16 年7月から9月にかけて通常取引の請求に上乗せして請求した」旨の回答が担当者からあったという。

 これにより、11月10日に予定されていた17年6月期第1四半期決算の開示延期を発表。あわせて、「調査委員会を設置し関係者へのヒアリング、会計データおよび関連資料等の調査を行う」とし、同期の決算発表は約1カ月遅れの12月9日に開示された。同期の売上高は前年同期比11.3%減の29億8,445万円、経常損益では2億3,364万円もの大幅赤字となった。また、16年6月期は経常損益段階で黒字転換を果たしていたが、不適切会計処理問題により一部を修正。その結果、経常赤字に転落した。これにより、同社は2期連続赤字を計上することとなった。

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(つづく)

【永上 隼人】

<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長:渡邉 靖司
代表取締役社長:喜久田 匡宏
所在地:福岡市博多区博多駅南5-15-18
設 立:2013年7月
資本金:4億2,299万円
売上高:(16/6連結)140億2,895万円
TEL:092-437-8944
URL:http://trust-hd.co.jp/

 
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