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2017年03月09日 07:03

進化目覚ましいSECCON2016!(4)

SECCON実行委員長 竹迫 良範 氏

募集するとすぐに定員に達し、大変に人気が高い

 ――このあたりで「決勝大会」の3日間から少し離れて、SECCON2016の年間活動を振り返っていただけますか。

 竹迫 今までは、いわゆるトップ層の尖った人たちを対象にお話を進めてきました。SECCON実行委員会としては、「世界の情報セキュリティ分野で通用する実践的情報セキュリティ人材(トップ層のホワイトハッカー)の発掘・育成」を最終目標としています。しかし、それだけでなく「IT/ICTに関わるすべての人材(開発者、テスト実施者、利用者)へ情報セキュリティの考え方や知見を広め、セキュリティ予備人材の裾野を広げ、さらにそのなかから世界に通用するセキュリティ人材を輩出し、日本全体のセキュリティレベルを世界トップレベルに引き上げる」ことも重要と考えています。その実現のために、年間を通じてさまざまな活動を行っています。

 まず、初心者向け勉強会「CTF for ビギナーズ」を開催しています。昨年は、5月15日(日)長野、6月26日(日)香川、7月16日(土)博多、9月10日(土)弘前、10月22日(土)東京、11月26日(土)金沢と、合計で6回開催しました。主に、Binary、Forensic(Network)、Web、CTFなどが演習内容になっています。いずれも、約100名枠ですが、募集するとすぐに定員に達してしまうほど、人気が高いです。

 今回、当初は予定になかったのですが、年間活動の締めくくりの意味を込めて、急遽会期最終日の29日(日)午前・午後で「CTF for ビギナーズ東京Final@東京」を開催し、演習とCTF大会を実施しました。実際に東京、主に都内だけで何人来るのかは、ふたを開けてみるまで不安でしたが、大変な人気で、会場の定員(500名)に近い応募をいただき、当日のパフォーマンスを含めて大成功しました。初心者のCTFでこれだけの人数が集合するのは、世界でもあまり例をみないのではないかと思います。

 都内だけでも潜在的なニーズは、会場の手配さえできれば、今回の2倍の集客は可能という感触でした。SECCONとしては運営と相談し、社会人のこのような高いニーズに応えられるように東京でも、全国の主要都市などでも、同様な試みをしていきたいと考えております。また、今民間でのCTFワークショップ開催も増えてきています。話は少し違いますが、印象的だったのは、会期中に、母親が連れ添った小学生が来場して、「IoT CTF Challenge 」ワークショップに参加していたことです。

世界的には女性限定CTF大会は珍しくない

 次に、女性限定で開かれている「CTF for GIRLS」です。この勉強会ができた当時は、日本のセキュリティ業界の中で女性のコミュニティはありませんでした。そこで、CTF大会ではなく、コミュニティづくりを中心に勉強会を開催してきました。昨年は、第5回ワークショップを6月24日(金)東京、第6回ワークショップを12月16日(金)東京で実施しています。第5回はフォレンジック、第6回は暗号の勉強をしています。

 ワークショップとは別に、2年前の2015年に神戸で「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」と組んで女性限定のCTF大会「攻殻機動隊REALIZE PROJECT × SECCON CTF for GIRLS(通称:攻殻CTF)を開催しました。実施する前は賛否両論があったのですが、ふたを開けてみると、CTF大会に出場したい女性が想像以上にいることがわかり成功しました。その成功を受けて、昨年10月15日(土)に今度は東京で「攻殻機動隊REALIZE PROJECT × SECCON CTF for GIRLS」を大々的に開催し、大成功しました。

 世界的に見れば、女性限定のCTFコミュニティは台湾の「HITCON GIRLS」など珍しくありません。私は2011年にすでに韓国の女性限定CTF大会「Power of XX」を視察しています。国や民間スポンサーなどもついて立派に行われていました。今、SECCONの女性限定ワークショップの運営側と、韓国や台湾の運営側とは良好なコミュニケーションがとれています。今後もさらに進化していくことを期待しています。

今年は、社会人に重点を

 ――最後に、「SECCON2017決勝大会」を目指す読者および初心者や女性の読者の皆さんにエールをいただけますか。

 竹迫 SECCON実行委員会では、毎年重点を置くポイントを、そのときどきの環境に併せて変えています。昨年は学生に重点を置きましたが、今年は社会人(活躍の場の増大、キャリア形成など)に重点を置くことを考えています。また、これまでは間口を広げることに重点を置いてきましたが、今年はその強弱も考えて行きたいと思っています。

 今年もさまざまな企画を実施しますので、過去の成績や経験など気にすることなく、積極的に挑戦してほしいと思います。15年にはSECCON実行委員会が監修した『セキュリティコンテストチャレンジブック -CTFで学ぼう! 情報を守るための戦い方』(マイナビ出版)も出ました。バイナリ解析やプログラミング関連の参考書も増えています。皆さんの手の届くところに教材はたくさんあります。SECCON実行委員会が監修した本は好評で、昨年は韓国語にも翻訳され出版されました。

 初心者や女性の読者の方に申し上げます。地方でも、東京でも、引き続きワークショップを開催していきます。ぜひ、積極的にご参加ください。この機会に、SECCON ホームページからメルマガにご登録してください。ワークショップ募集情報など最新ニュースがいち早く届きます。

(了)
【金木 亮憲】

<プロフィール>
竹迫 良範(たけさこ・よしのり)
 SECCON 実行委員長。現職は大手情報サービス会社 技術フェロー。大学卒業後、独立系ITベンチャーにて大企業向けパッケージソフトを開発、主に国際化を担当する。国内大手グループウェア研究子会社にて中長期のR&Dの傍ら、エンジニア採用、産学官連携活動と日本の人材育成に関わり、2012年に「SECCON」を立ち上げ実行委員長に就任。
 08年 Microsoft MVPアワード Developer Security、13年情報処理学会 山内奨励賞、CSS2013/MWS2013 CSS×2.0一等星を受賞。著書として『ECMA-262 Edition 5.1を読む』(秀和システム)、共著として『セキュリティコンテストチャレンジブックーCTFで学ぼう!情報を守るための戦い方』(2015年 マイナビ出版)などがある。

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