2024年04月25日( 木 )

今期は熊本エリアに注力~日本M&Aセンター、九州エリアの実績と戦略

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 中堅・中小企業のM&A支援実績No.1で東証一部上場の(株)日本M&Aセンター(所在地:東京都千代田区、三宅卓代表)は5月8日、九州エリアで実績と戦略についてのメディア向けの発表を行った。同社執行役員で福岡支店長の鈴木康之氏が説明した。

 同社は2016年4月に福岡営業所(17年4月に支店に昇格)を開設。その結果、同社の16年度の九州・沖縄・山口における成約件数は44件と、15年度の17件から2.5倍増となった。九州・沖縄・山口でのM&A案件の増加理由としては、同エリアの後継者未定率の高さと、後継者不在による休廃業件数の増加の2つの要因を指摘。「M&Aにより、こうした休廃業の件数を1件でも減らしていきたい。そのためには、M&Aという選択肢があることを知ってほしい」と鈴木氏は語る。
 今期17年度は、より多くの案件に対応すべく、増員などにより体制をいち早く整えることで、60件の成約件数を目指す。また、今期注力していくエリアとしては、熊本を挙げた。これは、東日本大震災が発生した際、発生から1年が経過してから被災地エリアからの問い合わせ件数が増加したことを踏まえたもの。実際に昨年の熊本地震発生から1年が経過し、現在では熊本エリアの企業からの問い合わせ件数が増加傾向にあるとのこと。

 また、福岡営業所開設後の第1号案件となった、(株)因幡うどんと(株)力の源ホールディングス(HD)の事例も紹介された。因幡うどんは60年以上にわたって、地場・福岡で愛されてきたうどん店。業績は堅調だったが、後継者問題や店舗拡大にともなう人材確保の必要性から、M&Aを検討していた。そこで、日本M&Aセンターの紹介により、ラーメン「一風堂」のほか飲食店運営を手がける、力の源HDとマッチング。力の源HDにとっては、老舗うどん店のノウハウを獲得し、自社うどん事業のさらなる拡大の実現に至った。一方の因幡うどんにとっては、「屋号」「雇用」が継続されたほか、大手企業との提携で人材採用の強化が可能に。相互に発展できるM&Aとなった。

 そのほか16年度のトピックスとして、同社で初となるクロスボーダーM&A(IN-OUT)の成約実績が九州から誕生したことを報告した。この事例では、ベトナム・ホーチミンの土木工事会社を鹿児島の建設工事会社が取得。ベトナムの企業にとっては日本企業の技術力や日系企業からの受注増加というメリットが、鹿児島の企業にとっては労働力の確保や将来的な海外進出の足がかりを得るという、それぞれにとっての相乗効果が出る結果となった。

 「M&Aは、いわば企業と企業の“結婚”です。弊社が目指すM&Aは成約することだけが目的ではなく、その後の両社がともに発展し、成功していくことが目的。そのための支援を行っていきます」(鈴木氏)。

 現在、多くの企業が抱えている後継者問題をはじめとする経営課題は、M&Aによって解決できることも多い。今後も同社福岡支店ではM&Aを通じ、多くの九州企業の経営者のハッピーリタイアや社員の雇用継続、地方創生に貢献していくことを目指していく。

【坂田 憲治】

▼関連リンク
・(株)日本M&Aセンター​

 

関連記事