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2017年07月12日 10:31

長崎活性化の系譜 小山薫堂氏のルーツ・北野織部と小山秀之進

長崎のまちを創った小山薫堂氏の祖先

有力な手がかりとなった明治時代の旧字図

 長崎市が「人のまち・ながさきプロモーション事業」を委託する企画会社(株)オレンジ・アンド・パートナーズ。同社代表取締役社長の小山薫堂氏は、放送作家として「料理の鉄人」や映画「おくりびと」を手がけたほか、人気ゆるキャラ「くまモン」の生みの親として熊本県の地域活性化に貢献。長崎市における企画にも期待がかかるが、その小山氏と長崎市の縁はかなり深い。

 今より150年前の幕末――。西欧諸国との修好通商条約にともない、外国人居留地を用意するため、大浦海岸一帯の埋め立て工事を行ったのが、天草の豪商・北野織部。実兄・北野を支えるとともに、大工の棟梁として長崎市民の宝ともいえる「グラバー邸」や「大浦天主堂」の建築を行ったのが小山秀之進(後に「小山秀」と改名)である。2人は、長崎に「国民社・小山兄弟商会」を設立し、幕末から明治にかけての長崎の発展に大きく貢献した。小山薫堂氏は、この2人の子孫にあたる。

 北野織部、小山秀之進の足跡が、現代を生きる長崎市民の生活を守ったというエピソードがある。昔の街並みが今も残る大浦町で、長きに渡って市民が通行していた生活道路が、2015年、私有地に飲み込まれ、姿を消しかけるという異常事態に陥った。場所は、長崎オランダ坂の近くであり、周辺住民のみならず、観光客も通行する道であった。原因は、法務局の電子地図の誤記である。05年5月に地図が電子化される際、この道が「水」(水路)と記載された。これをもとに、生活道路に隣接する私有地の地主が、側溝部分を除く道の大部分を含めて駐車場として整備しようとしたのである。

 異常事態に気づいた周辺住民や、生活道路付近の物件を管理する不動産業者らは、市や法務局に対し、誤記を訂正させるための証拠を探した。訴訟にまで発展した道を取り戻す戦いで、有力な証拠となったのが、北野織部、小山秀之進の兄弟が、大浦地区の埋め立て工事を行った頃に作成された明治時代の旧字図(あざず)。同地図は、水路とされた生活道路が、当時から道として存在していたことを証明した。福岡高裁は誤記と判断し、原状回復が図られることになった。

 2人の功績を知る子孫・小山薫堂氏の長崎への思い入れは深く、この度のプロモーション事業にも期待がかかるところ。受け継がれたDNAが、ハード面からソフト面へと活躍の場を変えて、長崎を活性化する。

【山下 康太】

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