2024年04月27日( 土 )

企業としての信用と優秀な人材活用が企業発展の原動力(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

(株) 電子商事

優秀な女性スタッフが強い営業を支える

 営業部が最高の力を発揮できるよう支えるのが、社内の女性スタッフたちだ。資金管理から労務管理、もちろん営業のサポート、技術のサポートまで、1人で何役もこなす。こうした優秀な人材が育つ環境づくりにも取り組んでいる。たとえば、「じそう」という言葉を各々が追求するイメージに掲げた。自分で積極的に動き(自走)、自身で企画・仕事のデザインをする(自創)、必要であれば周りを巻き込みながら最後までやり切る(自操)ことができる人材である。効率化や合理化など、改善のためのさまざまなアイデアを各自が出し合う提案制度を設けたのもその一環であろう。時間短縮やコスト削減、職場環境の改善など現場を知らなければ出てこないようなアイデアが、年間50件から60件ほど出てくる。そうやって出された提案に対し、半年に1度、評価と表彰を行い、スタッフの功績をたたえる。意見を出し合い、情報を共有する風通しの良い企業風土をつくってきたことで、スケジュール管理や情報共有のために自発的なミーティングを開催するなど、まさに「じそう」する人と組織ができあがってきている。

 顧客だけでなく、仕入先など取引先からの信用も大きい。会社の規模を求めるのではなく、堅実な経営を心がけ、強固な経営基盤をつくろうとする経営姿勢が、安心感を与えるからだろう。急激な拡大は、見た目には華やかに映るが、人材育成が組織の拡大に追いつかない、あるいは、内部統制に歪みが生じるなどの懸念もともなう。企業は永続することが社会的な使命でもある。取引先から安心して取引できる経営基盤を確立することは、企業としての重要な責務であるし、中野社長は堅実な経営によってそれを実現しているといえる。

 同社の技術や中野社長の理念に共感し、駐車場や防災関連機器、医療関連、学校向けに使用する電気関係など、遊技関連以外からの引き合いも増えている。合理化や効率化が優先される時代ではあるが、中野社長と同社の経営は信用の大切さを示す見本ともいえそうだ。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:中野 武志
所在地:福岡市中央区大宮2-6-23
創 業:1977年3月
資本金:2,000万円
TEL:092-533-5500
URL:http://www.denshi-shoji.net

<プロフィール>
中野 武志(なかの・たけし)
 1944年、福岡市生まれ。法政大学経済学部卒業後、(株)フジソクに入社。福岡営業所所長を最後に退社。同営業所の営業基盤を譲り受けて77年3月、(有)電子商事を設立、代表取締役に就任。趣味は、野球とゴルフ。

 
(前)

関連キーワード

関連記事